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静岡県の全国での位置付けと産業構造の特色
地域別の特色
主要な製造業の紹介
(1)自動車・同部品
(2)二輪車・同部品
(3)電気・精密機械
(4)化学
(5)はん用・生産用・業務用機械
(6)楽器
(7)紙・パルプ
(8)飲料・缶詰
(9)伝統・地場産業
金融面の特徴
■静岡県の全国での位置付けと産業構造の特色
静岡県の県内総生産、人口は、都道府県別順位で「第10位」、全国シェアで「3%」の経済規模と言えます。また、第2次産業のウエイトが40%と全国(24%)に比べ+16%ポイント高いこともあって、製造品出荷額等は全国「第2位」の位置付けにあります。
▽県内主要経済指標
項目 実数 全国比
(%)全国順位
(位)面積 7,255平方km (2010年10月) 1.9 13 人口 3,765千人 (2010年10月) 2.9 10 県内総生産 164,526億円 (2008年度) 3.3 10 1人当り県民所得 3,215千円 (2008年度) − 3 製造品出荷額等
(従業者4人以上の事業所)150,509億円 (2009年) 5.7 2
資料出所: 全国都道府県市区町村面積調、国勢調査、県民経済計算、工業統計調査(産業編)
産業としては、東京、名古屋などの大消費地に近く、東海道の主要幹線が東西に走るといった恵まれた立地環境を生かし、多彩な産業集積がみられることから、当県は、しばしば「日本の縮図」、「産業のデパート」と称されます。
特に、製造業については、第2次世界大戦前から地場産業が活発な生産活動を展開していたなかで、戦後は、こうした産業を基盤として新しい産業が興ったほか、東名高速道路の開通(1969年)以降、東京や大阪に本社を持つ企業の工場進出が積極的に行われてきました。このため、製造品出荷額等は全国シェア5.7%(2009年)と、他の指標に比べ高く、当県は「モノづくり県」としての特徴があります。因みに、当県の製造品出荷額等を他地区と比較すると、東北6県、北陸4県を上回っています。また、全国シェア第1位を誇るものは、二輪車、楽器、茶系飲料、プラモデル等の製造品や茶、キハダマグロ等の農林水産物など多数あります。
▽製造品出荷額等の他地区との比較 (2009年)
単位:億円 資料出所:経済産業省「平成21年 工業統計調査(産業編)従業者4人以上の事業所」
静岡県 東北6県 北陸4県 中国5県 四国4県 九州・
沖縄県製造品出荷額等 150,509 147,125 107,355 216,686 81,364 198,952 当県を100とした割合 100.0 97.8 71.3 144.0 54.1 132.2
他方、県東部地域を中心に、富士山、伊豆半島等の豊富な観光資源を抱えており、旅館営業施設数は全国第1位にあるなど、有数の観光県としての一面もあります。
■地域別の特色
(地域別の特色)
静岡県は35市町(2011年3月末現在)からなり、地域別には、富士川と大井川を境にして東部・中部・西部の3つの地域に区分されます。この3つの地域は、歴史的な背景から風土、気質などの面で、それぞれ異なった特色があると言われています。
伊豆を中心とする東部(足柄)をみると、鎌倉時代には北条氏の本拠となり、その後は天領が多かったこともあって、中部地域よりも江戸との繋がりが強かったようです。これに対し、中部(駿河)は、徳川家康のゆかりの地として、独自に発展しました。また、西部(遠江)については、江戸時代に西国大名の江戸侵攻に備えた防衛上の理由から、大井川に橋が架けられなかったこともあって、中・西部間の人々の交流はあまり盛んではなかったようです。このように、静岡県は、江戸時代までそれぞれの経済圏を形成しており、明治時代の廃藩置県を経て府県制の公布により統合したという歴史的経緯のほか、富士川、大井川などの河川により地理的にも分断されていたため、それぞれ独自の風土、気質が生まれたようです。
(東部)
伊豆半島は、海浜の景観と豊かな温泉資源に恵まれているほか、首都圏に近いという立地条件もあって、熱海、伊東、下田などを中心とした全国有数の観光地帯となっています。また、御殿場、裾野、三島、沼津市といった地域には、首都圏からの交通アクセスが良いことや地下水を豊富に利用できることなどから、大手メーカーの工場が立地しています。富士地域は、富士山の豊富な水源をもとに製紙・化学工業が発達し、紙・パルプの出荷額は全国一となっています。
(中部)
県都静岡市は、行政、商業都市であり、家具、雛具、サンダル等の伝統産業が集積しています。清水港は、周辺に木材、造船、石油、アルミ等の臨海型工業が立地しており、国際貿易港として発展を続けています。また、焼津港は、かつお、まぐろの水揚げ基地で水産加工業も盛んです。遠洋漁業では、キハダマグロを主力とした水揚げ額が常に全国トップを誇り、これを利用したツナ缶詰の生産量も全国一となっているほか、沿海漁業ではしらす漁や駿河湾だけでしか獲れない桜えび漁も盛んなことから、食品加工業の立地もみられます。また、牧之原台地はお茶の特産地として有名です。
(西部)
浜松市を中心とする県西部は、自動車、二輪車、楽器を中心とする工業地域です。現在でも、県西部は、輸送用機械、楽器の2大産業に加え、エレクトロニクスや生産用機械などの機械産業の集積が進み、わが国有数の工業地域を形成しています。他方、温暖な気候を活かしたメロンや蜜柑、野菜などの農作物栽培のほか、浜名湖、遠州灘でのカキ、のり、ウナギ、すっぽんの養殖など、第1次産業も盛んな地域です。
■主要な製造業の紹介
県内の製造品出荷額等をみると、自動車、二輪車などの輸送用機械が約3割を占め、次いで、電気機械、化学工業が続いています。全国順位をみると、飲料・たばこ・飼料、パルプ・紙・紙加工品、電気機械は全国順位第1位となっており、繊維工業、情報通信機械器具を除く品目でも10位以内にランキングされています。
▽県内業種別製造品出荷額等(2009年)資料出所:経済産業省「平成21年 工業統計調査(産業編)従業者4人以上の事業所」
産業中分類 出荷額等
(億円)構成比
(%)全国シェア
(%)全国順位
(位)食料品 10,983 7.3 4.5 8 飲料・たばこ・飼料 11,512 7.6 11.5 1 繊維工業 921 0.6 2.4 14 木材・木製品 1,201 0.8 5.7 3 家具・装備品 756 0.5 4.6 6 パルプ・紙・紙加工品 8,233 5.5 11.6 1 化学工業 14,544 9.7 6.0 5 プラスチック製品 5,588 3.7 5.6 5 ゴム製品 1,867 1.2 7.0 2 非鉄金属 3,820 2.5 5.5 5 金属製品 5,097 3.4 4.1 8 はん用機械器具 3,238 2.2 3.3 9 生産用機械器具 5,454 3.6 4.5 7 業務用機械器具 4,041 2.7 5.7 6 電気機械器具 16,667 11.1 12.2 1 情報通信機械器具 5,435 3.6 4.7 11 輸送用機械器具 39,529 26.3 8.4 2 その他の製造業 3,925 2.6 10.3 1 製造業合計 150,509 100.0 5.7 2
(1)自動車・同部品
軽自動車の国内販売トップクラスのメーカーが立地しているほか、東名高速道路等交通の便に恵まれていることもあって、各完成車メーカーとの取引を行う部品メーカーが東西に亘って集積しており、当県のリーディング産業となっています。自動車部品の製造品出荷額等は、全国の約1割を占めており、愛知県に次いで第2位の水準にあります。
(2)二輪車・同部品
静岡県は、大衆用オートバイ(50cc)発祥の地であり、現在でも、国内二輪車メーカー4社のうち、2社の国内主力工場が県西部に立地し、関連企業も浜松市を中心に多数集積しています。二輪車の国内生産台数は、全国の約5割を県内で生産しています。
(3)電気・精密機械
静岡県には、県外大手セットメーカー等の主力工場を中心として、関連の中小電気・電子部品メーカー等が多数集積しています。生産品目も、エアコン、冷蔵庫、洗濯機といった白物家電から携帯電話や半導体といったIT関連製品まで多岐に亘っています。また、当県は自動車産業の一大集積地であることに関連して、小型電動機(モーター)等の自動車関連機器の生産シェアも高く、全国に向けて供給されています。
(4)化学
静岡県には、医薬品、化粧品、化学繊維等の生産拠点や研究開発拠点が多数集積しており、化学工業の製造品出荷額等は、県内では、輸送用機械、電気機械に次いで3番目に高いウエイトを占めています。品目別には、写真用化学薬品(全国シェア約3割)、その他合成染料(同約3割)、ファンデーション(同約2割)などの出荷額は日本一であるほか、自動車産業の集積地であることから、自動車用のプラスチック製品や触媒等のシェアも高く、全体では全国第5位の生産地として位置付けられます。
(5)はん用・生産用・業務用機械
多様な産業集積を背景に、県内には多数の機械メーカーが立地しています。その中でも、工作機械と木工機械は、ともに古い歴史を持っており、本県のリーディング産業である自動車や楽器等完成品メーカーの発展を支え続けています。
(6)楽器
楽器生産・販売量が世界トップクラスの企業を中心に、県西部には中小協力メーカーが集積しており、楽器部品の出荷額は全国第1位(全国シェア約6割)となっています。
(7)紙・パルプ
富士市周辺には、紙・パルプ業界における国内トップクラスの企業グループの生産拠点をはじめ、白板紙や衛生用紙等を生産する多くの中小メーカーが集積しています。また、島田市にも板紙(ダンボール原紙)業界の大手企業の工場が立地するなど、静岡県は全国有数の紙産地となっています。このため、色板紙(全国シェア約5割)、白ボール(同約4割)、その他の紙製衛生用品(同約3割)などの出荷額は日本一を誇っています。
(8)飲料・缶詰
県内の飲料・缶詰業は、焼津港や清水港で水揚げされる「まぐろ・かつお」および後背地の丘陵地帯で収穫される温州みかんなどを原料に、その立地優位性を活かした地場産業として発展を遂げてきました。当県における最近の缶詰の生産量をみると、まぐろ類缶詰は全国の約9割、かつお類缶詰は約6割と、いずれもトップシェアを確保しています。
(9)伝統・地場産業
徳川家康の浅間(せんげん)神社(静岡市)造営(1634年)に際し発達した「塗物」の技術と南アルプスの豊富な森林資源を活かし、家具、雛具、仏壇、サンダル等の産業が発達しています。このほか、県西部には短繊維綿織物の遠州産地と別珍・コール天の福田産地が形成されています。
■金融面の特徴
当県(2011年3月末現在)には、地銀3行、第二地銀1行、信金12金庫、信組1組合、労金、県信連、県信漁連、農協19組合、証券3社が本拠を構えているほか、県外からは大手5行、信託4行、第二地銀3行、信金1金庫、信組2組合、政府系・農林系3公庫、証券16社、その他銀行2行が進出しています。とりわけ、地元金融機関は、当県経済の懐の深さを背景に総じて規模が大きく、県内12信金は全て本行の当座預金取引先となっているほか、農漁協、労金等系統団体も全国屈指の規模を誇っています。
県内の預(貯)金・貸出構造(2011年3月末<郵貯を除き、信託勘定を含むベース>)をみると、総預(貯)金残高は24.4兆円、総貸出残高は15.0兆円で、うち地元金融機関が預(貯)金、貸出とも約9割のシェアを占めています。業態別のシェアをみると、地銀が約4〜5割と高く、次いで、信金が約2〜3割、農・漁協が約1〜2割と続いています。
▽県内の預(貯)金・貸出構造(2011年3月末)
総預(貯)金 総貸出 預(貯)貸率
(%)残高
(億円)構成比
(%)残高
(億円)構成比
(%)大手行 20,452 8.4 10,821 7.2 52.9 地銀 95,132 39.0 74,576 49.4 78.4 第二地銀 3,177 1.3 2,740 1.8 86.2 信金 67,248 27.6 36,076 23.9 53.6 信組・労金 9,980 4.1 5,815 3.9 58.3 農・漁協 46,183 18.9 14,117 9.4 30.6 合計 244,058 100.0 150,847 100.0 61.8 うち地元金融機関 220,930 90.5 132,552 87.9 60.0
(注) 地元金融機関は、県内に本拠を構えている地銀、第二地銀、信金、信組、労金、農協、漁協の合計。