皆様のくらしと支店のつながり
このコーナーでは、皆様のくらしと日本銀行名古屋支店のつながりを紹介しています。
日本銀行は、個人や民間企業の方々と直接預金や貸出の取引は行っていません。しかし、皆様のくらしとは、切っても切り離せない仕事をしています。
Q.個人や民間企業と直接取引をしていないのなら、「にちぎん」のお客さんは一体、誰?
A.にちぎんの究極の「お客様」は個人・企業の方々です。
銀行など金融機関は、私たちのお金を預かったり貸したりしてくれるほか、金融機関どうしは網の目のように結びつき、そのしくみの中で、給料が自分の口座に振り込まれたり、田舎のおじいさんに送金できたり、電気・水道代などが自動的に引き落とされたりします。
このように、金融機関がお金を預けたい人と借りたい人の間を仲立ちしたり、決済のサービスを提供したりするしくみを、全体として「金融システム」と呼んでいます。金融システムは、私たちが毎日使っている電気や水道・ガスなどと同じように日々のくらしを支える土台、つまり、社会の重要なライフラインなのです。
そして日本銀行では、日銀ネットというシステムを使って、銀行など金融機関どうしのいろいろな取引を、それぞれの銀行が日銀に持っている預金口座を通じて決済できるサービスを提供(金融取引の決済のしくみ)しています。日銀では、個人・企業の方々がこうした金融のしくみを安心して使えるように努力しています。
日銀ネットについて
金融取引の決済の仕組みについて
Q.「景気が悪い」って言うけど、一体、誰がどうやって調べているんだろう?
A.日本銀行名古屋支店は、東海経済のドクター役です。
金融政策を行う上では、経済の状態をしっかりと知っておくことが重要です。日銀では、本店のほか、全国にある32支店、14事務所のネットワークを使って、企業を訪問し経営者の方のご意見を聞いたり、各種アンケート調査(例えば、「短観」)を行っています。また、地域ごとあるいは日本全体の様々な経済統計を分析して、日本全体や地域経済の「いま」を調査しています(このほか海外の動向を知るために、海外にも7つの事務所を置いています)。
つまり、経済のドクター役として、いまある姿を診断し、その診断結果に応じて必要な処方箋を考えたり、治療(金融政策)に結びつける役割を担っているのです。また、この診断内容についても、定期的な記者会見や当店インターネットホームページ等を通して皆様に情報を提供しています。
「支店・事務所配置図」は、日本銀行本店ホームページ「日本銀行の本店・支店、事務所所在地一覧」をご覧ください。
東海3県の金融経済動向の把握方法について
東海3県の短観(企業短期経済観測調査)結果
「日本銀行の本店・支店、事務所所在地一覧」(日本銀行本店ホームページへリンク)
Q.私たちのお財布のお金はどうやって手元にきたのかしら?
A.あなたの手元に届いたお札(「日本銀行券」)は、民間の金融機関から引き出されたお札がいろいろな経済取引に使われて、巡り巡ってきたものです。さらに大本を辿れば、日銀から民間金融機関が引き出したものです(日本銀行は唯一の「発券銀行」としての役割を果たしています)。
しかし、日銀にはお札を作る工場がありません。そこで日銀は、国立印刷局という、いわばお札の「印刷工場」から「新しいお札」を購入してきます。この「新しいお札」に加えて、民間金融機関を通じて日銀に戻ってきたお札のうち、「汚れ具合などから判断して、繰り返し使うことができるお札」とを合わせて、民間金融機関への支払いに使います。また、汚れがひどいお札は、切り刻まれて処理されます。
仮にこうした汚いお札が放置されれば、例えば、銀行のATM(現金自動預払機)や鉄道の自動切符売場でお札を受け付けない事態が起こりやすくなってしまいますし、偽札の判別も難しくなります。ですから、日銀はお札の一定のきれいさ(クリーン度)を保つようにしているのです。なお、硬貨は造幣局で作られ、日銀を通じて民間金融機関に支払われています。
お札の流れについて
Q.スピード違反で警察につかまっちゃったよ。でも、反則金はどこで払えばいいんだろう?
A.「交通反則金」は、日銀本支店または日銀が民間金融機関にお願いしている一般代理店、歳入代理店、歳入復代理店、歳入復々代理店のいずれかに払い込むことになります。
納められたお金は、日銀にある「政府当座預金」とよばれる「国の預金口座」に入ります。つまり、日銀では、交通反則金をはじめ、税金や国民年金保険料などの受入れ、これを原資とした公共事業費、公務員給料、国民年金の支払いなど、国(政府)に関わる資金(財政資金)のやりとりのお世話をしているわけです(日本銀行は「政府の銀行」としての役割を果たしています)。
国庫金の受入、支払の流れ
Q.金融機関の経営について新聞にいろいろ書かれているんだが、私の預金は大丈夫かな?
A.日銀は、金融システムに問題がないか、しっかり見ています。
今、あなたが預金したいと考えている金融機関について、日銀が個別に「安全です」と保証することはできませんが、金融機関を通じてお金のやりとりを行う仕組み(金融システム)がいつでも問題なく使えるように努力するのは、日銀の重要な仕事です。
具体的には、日銀の取引先金融機関(日銀に当座預金口座をもつ民間金融機関)の経営に問題がないか、常に見守っているほか、実際に金融機関に出向いて集中的に経営内容を調べています(「考査」)。こうした方法を通じて、経済活動の中で行われたお金のやりとりが最終的にうまく完了するように常時モニターに努めているわけです。
Q.子供が誤ってお札を破ってしまった。このまま使えるかな?
A.日銀は、破れたお札などの引換え窓口です。
破れてもゴミ箱に捨てるわけには行かないのがお札(泣いても泣ききれないのが心情ではないでしょうか……)。
そんな時は、民間の金融機関でもきれいなお金に交換することができますが、傷みのひどいものについては、日銀に持って来てください。お札の専門家が診断したうえで手数料なしできれいなお札と引換えさせていただきます。ただし、引換えの基準が定められていますので、ご注意を。また、一枚一枚、慎重に診断しますので、時間を要する点はご理解ください。
損傷銀行券の引換基準(日本銀行本店ホームページへリンク)