所長から「ちょっと一言」
2024年6月28日(金)
お札(日本銀行券)が変わります
7月3日水曜日から、新しいお札の発行が始まります。今のお札は2004年(平成16年)11月発行なので、20年ぶりの改刷(絵柄・デザイン変更)です。表面の肖像は、福沢諭吉⇒渋沢栄一(一万円札)、樋口一葉⇒津田梅子(五千円札)、野口英世⇒北里柴三郎(千円札)にバトンタッチされますが、一万円札の裏面には、唐津出身の「日本近代建築の父」辰野金吾(1854-1919)が設計した東京駅・丸の内駅舎(赤レンガ駅舎)が描かれています。改刷の主目的のひとつは「偽造抵抗力」の強化です。コピー機などの印刷技術がデジタル化により著しく高度化している中、偽札を作らせないための数々の最先端技術が用いられています。肖像が立体的に見え、お札を見る角度によって、肖像の顔の向きが回転する「3Dホログラム」、肖像のすかしの周囲に緻密な画線で構成した連続模様を施した「高精細すき入れ」が新たに採用されているほか、従来からの「パールインキ」(お札の左右両端のピンク色の光沢)や、「マイクロ文字」(肉眼では見えないくらいの微小な「NIPPONGINKO」の文字印刷)などなど、多岐にわたる偽造防止技術が搭載されています。
お札を発行し、全国の人々に円滑に行き渡るようにするとともに、皆さんがお札を安心して使えるようにすることは、日本銀行の大きな役割のひとつです。
今回の改刷に際しても、既に全国で約50億枚の新しいお札を備蓄して、態勢を整えていますので、タイミングはバラつきが生じますが、皆さんのお手元に届くのをお待ちください。
最後に一言、現行のお札は新しいお札の発行後も、引き続き通用します。「お札が変わると、前のお札は使えなくなる」などという偽情報や詐欺行為には、くれぐれもご注意ください。
過去の一覧を見る