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日本銀行鳥取事務所

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■事務所長からのメッセージ

■地域の強みをデザインする



鳥取は鳥取砂丘や大山といった自然や、さまざまな海山の産物に恵まれています。地元の産物のことを「ジゲ物」と呼ぶようですが、地域の方の話の端々に、ジゲ物への自慢話、自信に満ちた紹介を受けます。

こうしたジゲ物は二十世紀ナシのように全国的に知られたものもありますが、この地域に住んで、名店に連れて行かれ初めてその素晴らしさに触れるものも少なくありません。また砂丘ひとつをとっても、四季折々に見せる様々な風景はもちろん、自然の営みの不思議さなど、奥深いものがあります。

ただこうした自然や産物の魅力は、必ずしも地域外に幅広く知られていると言えないのも事実です。

地域の人々は心の底ではジゲ物や風土に自信を持ちつつ、あまり自慢話をされないようにも感じます。その理由を尋ねると、PR下手だからとの自認を披露されるケースが少なからずあります。

またジゲ物も一部の産品を除いて生産量がさほど大きくなかったり、観光資源の面でも人を受け入れる器がさほど大きくない、ということが良く指摘されます。

地域経済の先行きに楽観は許されませんが、全国ベースでみれば、例えば時間長者であるシニア層は極めて活動的で、グループ行動や消費活動も活発です。

とすれば、こうしたアクティブな層にめがけて上手にPRする工夫が考えられます。その際のポイントは「デザイン力」、つまり良いものを良いものとしてPRすることではないでしょうか。

品質が良く誇れるものなのですから、品物であればブランド化やパッケージのデザインなど、ある程度はコストをかけ付加価値を付けて、小粒でも品質に相応しく高く買ってもらうように考える。観光施設や商店街ならディスプレイや地図など案内も一工夫して、街歩きなどを楽しんでもらいながら滞在時間を長くする。

宝物を磨きあげて辛抱強く情報発信していく、いわば「地域の強みをデザインする」力の向上が課題になってくるのではないでしょうか。

もちろんすでに様々な取り組みがなされていますし、新しい施策を追うことは資源が限られる中で限界もあります。

事業者や行政などが利害を超えてお互いに連携しあうなどして、地域の強みを再確認し、取り組み一つ一つは小粒でも、これまでまいてきた種を着実、継続的に辛抱強くPRする「デザイン力」の発揮が重要ではないでしょうか。

私どもも地域の方々との意見交換や業務を通じて、こうしたデザイン力の工夫の面でもお役にたてることがあれば幸いです。


2013年 1月
日本銀行鳥取事務所長
大石 正人   



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