1945年6月、連合国軍による本土空襲が激しくなり、その被害は大都市から地方都市にまでおよび、さらに関東平野に上陸する懸念さえ生じていました。日本銀行では、このような情勢に対応するため、本店業務の一部を疎開することとし、甲府市に支店を設置することとなりました。しかし、甲府市では、7月6日夜半からの空襲により全市の大半が焼失、官庁および金融機関の店舗の被害も大きいものとなりました。幸い、日本銀行甲府支店の店舗設置予定地であった、山梨中央銀行相生町支店(現在の甲府商工会議所の位置)は、営業所および金庫には被害がなかったため、予定よりは幾分遅れましたが7月23日に支店を開設することができました。ただ、終戦間際の大混乱の中、本店業務の一部疎開は実現されず、開設直後の業務は、甲府空襲により焼けたお金の引換えが中心であったとのことです。
1970年11月に山梨県から新店舗用地(県立中央病院跡地、甲府市中央1丁目11-31)を取得しました。その後、1975年8月に店舗新築工事に着工し、1976年9月には新店舗が完成しました。当時は、山梨県の地場産業に因んだワインカラーの建物として評判を呼んだそうです。
年月 | 甲府支店 | 山梨県 |
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1945年7月 | 甲府支店開設(7/23日、当時の山梨中央銀行相生町支店で業務開始) | 甲府市空襲(7/6日、全市7割焦土) |
1945年12月 | 山梨県銀行協会設立 | |
1946年2月 | 銀行券(A号券<一円券、五円券、十円券、百円券>)の発行開始(~1946年3月) | |
1946年5月 | 甲府手形交換所設立 | |
1947年5月 | 戦後初の県議会開会 | |
1949年5月 | 山梨大学発足 | |
1950年1月 | 銀行券(B号券<五十円券、百円券、五百円券、千円券>)の発行開始(~1953年12月) | |
1957年10月 | 銀行券(C号券<五百円券、千円券、五千円券、一万円券>)の発行開始(~1969年11月) | |
1959年4月 | 都留文科大学発足 | |
1970年10月 | 中央線「新宿~甲府」間全線複線化 | |
1970年11月 | 新店舗用地を県から取得(県立中央病院跡地) | |
1975年8月 | 店舗新築工事着工(現在の店舗) | |
1976年9月 | 新店舗完成(10月から業務開始) | |
1978年11月 | 山梨県立美術館開館 | |
1980年4月 | 山梨医科大学<現山梨大学医学部>開学 | |
1982年11月 | 中央自動車道全線開通 | |
1984年7月 | 銀行券自動鑑査機初導入 | |
1984年11月 | 銀行券(D号券<千円券、五千円券、一万円券>)の発行開始 | |
1987年5月 | 4課制(営業課、発券課、国庫課、文書課)から3課制へ移行(総務課、発券課、業務課) | |
1989年3月 | 東富士五湖道路全線開通 | |
1989年11月 | 県立文学館開館 | |
1997年4月 | リニア実験線開通 | |
1998年4月 | 雁坂トンネル開通 | |
1998年7月 | 県立科学館開館 | |
2000年7月 | 銀行券(D号券<二千円券>)発行開始 | |
2002年11月 | 支店ホームページ開設 | |
2004年11月 | 銀行券(E号券<千円券、五千円券、一万円券>)の発行開始、若い記番号を肖像等に関係の深い先へ配付。 (五千円)A000005A塩山市(甘草屋敷)<現在は甲州市役所>、A000006A山梨県(県立文学館) (千円)A000007A山梨県(県立富士ビジターセンター)<現県立富士山世界遺産センター> |
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2005年4月 | 山梨県立大学開学 | |
2005年10月 | 県立博物館開館 | |
2012年11月 | 新県立図書館オープン | |
2013年6月 | 「富士山」(山梨・静岡両県)世界文化遺産に登録決定 | |
2014年2月 | 「2月14日からの大雪にかかる災害に対する金融上の措置」(山梨県)を発出 | 観測史上初の記録的な大雪(甲府:114cm、河口湖:143cm) |
2015年10月 | 大村智氏(韮崎市出身)ノーベル生理学・医学賞受賞決定 | |
2019年12月 | 甲府開府500年 | |
2021年8月 | 中部横断自動車道(静岡・山梨間)が全線開通 | |
2022年11月 | 甲府手形交換所決済業務廃止(電子交換所決済業務開始) | 2024年7月 | 新しい銀行券(F号券<千円券、五千円券、一万円券>)の発行開始 |