日本銀行の使命は、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に貢献することと、決済システムの円滑かつ安定的な運行を確保し、金融システムの安定に貢献することです。
日本銀行福島支店は、この2つの使命を実現するための最前線拠点として日々の業務を遂行し、地域経済の健全な発展を支えています。
具体的には、
など、地域経済とは広く多様な接点で結ばれています。
日本銀行福島支店では、こうした業務を発券課(1の業務)、業務課(2、3の業務)、総務課(4、5、6の業務)の3課で担っています。
昭和24年頃の営業場
現在の営業場
1台40億円分のお札の見本
(本店本館見学コースより)
日本銀行はわが国で唯一の「発券銀行」としてお札(日本銀行券)を発行しているほか、政府が発行する硬貨(貨幣)も取扱っています。当店では、福島県内の日々の様々な経済活動に伴う必要な現金を取引先金融機関への支払というかたちで供給しています。
お札の流通経路をみますと、まず金融機関が日本銀行に保有している当座預金を引き出して、日本銀行の窓口からお札を受け取ります。次に個人や企業は、金融機関の預金を引き出して、金融機関の窓口やATMからお札を受け取って使います。これらお札は買い物や金融取引の決済に使われたあと、金融機関を通じて再び日本銀行に戻ってきます。
このように日本銀行は、お札の発行から使えなくなったお札を廃棄するまでの「お札の一生」を管理しています。
福島支店で2023年度中に受払したお札は、約1兆500億円となっています。枚数では約1億5千万枚となり、これを積み上げると「磐梯山(標高1,816m)」の約8倍の高さになります。
お札の一生について詳しくは銀行券の一生(製造・発行・流通・廃棄)(日本銀行本店のホームページ『教えて!にちぎん』へリンク)をご覧ください。
お札が汚れて、よれよれになったままで流通していると、本物と偽物の見分けがつきにくくなり、偽札が出回りやすくなります。そこで、日本銀行に戻ってきたお札は汚れや傷みの激しいものはないか、偽札が混入していないかなどを1枚1枚チェックし、再び使用できるもの、できないものに選別する作業を行っています。この作業を「鑑査」といいます。
この「鑑査」は主に「銀行券自動鑑査機」という機械を用いて行っています。「鑑査」において、もう使用できないと判別されたお札は細かく裁断し、廃棄します。
お札を人手で鑑査していた時代の様子
銀行券自動鑑査機
破れたり焼けてしまったお札や、磨耗したり変形した硬貨などは、日本銀行で引換基準により新しいものと引き換えることができます。
引換基準について詳しくは損傷銀行券の引換基準(日本銀行本店のホームページへリンク)をご覧ください。
もし、誤ってお札を破いたり、焼けてしまった場合でも諦めないで日本銀行にお持ち込みください。
お持ち込みになる場合は、事前に照会窓口へご連絡ください。郵送による引換えは受付けておりません。
なお、日本銀行では両替業務は取扱っておりません。両替をご希望の方は、お近くの金融機関へお問い合わせください。
傷んだお金の引換に関する照会窓口
日本銀行福島支店発券課 TEL:024-521-6374
日銀ネット
皆さんが金融機関などに預金口座を持っているのと同じように、金融機関は日本銀行に預金口座を持っており、この口座が金融機関相互の最終的な資金決済の場として機能しています。決済は、「日本銀行金融ネットワークシステム(日銀ネット)」という日本銀行と各金融機関とがオンラインで結ばれた端末により瞬時に決済されています。
詳しくは、
日本銀行には誰が預金口座を開設していますか?(日本銀行本店のホームページ『教えて!にちぎん』へリンク)
日銀ネットとは何ですか?(日本銀行本店のホームページ『教えて!にちぎん』へリンク)
をご覧ください。
日本銀行は、法令の定めに従い、日々国庫金の受払を行っています。具体的には、国税や社会保険料、交通反則金などの歳入金の受入や、公共事業費や年金といった歳出金の支払いなど、国庫金に関する受払事務を行っています。
また、皆さんが日本銀行本支店の窓口だけでなく近くの金融機関の窓口でも国庫金を納付できるように金融機関との間で代理店契約を結んでいます。
代理店には、国庫金の受払いなどを行う一般代理店、国庫金のうち国税や歳入金の受入れのみを行う歳入代理店・歳入復代理店・歳入復々代理店がありますほか、国債代理店・国債復代理店があります。
詳しくは、代理店等一覧(日本銀行本店のホームページ『国庫金・国債の窓口』へリンク)をご覧ください。
また、国庫金の一部(国税等)については、インターネットバンキング、金融機関のATMなどを利用して「電子納付」できますのでご利用ください。
主な国庫金のキャッシュレス納付手段と利用方法(日本銀行本店のホームページへリンク)
当店では、金融政策に関する情報の受発信と、県内金融システムの安定性確保のための活動を行っています。
記者会見の様子
県内の金融経済情勢を的確に把握するため、県内企業や金融機関等の協力を得て直接お話を伺ったり、各種統計データの収集や分析を行っています。こうして分析された金融経済情勢に関する情報は、日本銀行の金融政策の判断材料の一つとして活用しているほか、毎月「福島県金融経済概況」として公表しています。また、3ヵ月毎(3、6、9、12月)に、「全国企業短期経済観測調査」(短観)と呼ばれるアンケート調査の取りまとめ、分析を行い集計結果を公表しています。
短観(タンカン)とは
短観とは、日本銀行が企業の経済活動の状態を把握したり、景気の先行きを予測するために企業にアンケート調査を行い、毎年4回公表しているものです。わが国の代表的な統計の1つとして国内外で広く活用されています。
金融システムの安定に貢献することを目的に、福島県内の取引先金融機関に対し、オフサイト・モニタリングの実施を通じて、その業務運営や財産の状況を把握するとともに、必要に応じて経営の健全性維持に向けて意見交換を行っています。オフサイト・モニタリングとは何ですか?(日本銀行本店のホームページ『教えて!にちぎん』へリンク)
皆様に日本銀行の役割や業務を知っていただくため、支店長による講演(「講師派遣」のページへ)、支店見学(「支店見学」のページへ)、ホームページでの情報発信などを行っています。
また、福島県金融広報委員会(福島県金融広報委員会のホームページへリンク)の事務局として、中立・公正な立場から暮らしに身近な金融経済情報の提供や金融経済学習の支援などの活動を行っています。
模擬1億円の重量体験
お札の裁断くずを再利用した作品
店内見学会の様子