会社であれ地域社会であれ、私たちのコミュニティーには時として、新しい空気とエネルギーを吹き込んでくれる人が現れるものです。
集団のルールやしきたりに染まっていない「ヨソ者」。私たちが当たり前だと思っていることに、眉をひそめたり、目を輝かせたりするアウトサイダーは、見えないものが見えてくるきっかけや、新しい何かを持ち込んでくれます。
常識にとらわれず、何かをやってしまう「バカ者」。多くの人が考えもしない、無謀な跳躍に挑む人間が1人いることで、コミュニティー全体が動き始めることがあります。実は皆がそれを待ち望んでいるような流れをつくってくれるのは、先頭を切って氷の海に飛び込む、無鉄砲なファーストペンギンなのです。
そして、幼い時からスマートフォンでインターネットを使いこなしてきた「ワカ者」。若い世代のコミュニケーション能力や問題意識の高さには、注目すべきものがあります。一見、淡泊で覇気がないように振る舞っていても、実は時間と情熱を注ぎ込める何かを、探しているのかもしれません。
ヨソ者の新しい視点、バカ者の行動力、ワカ者のエネルギー。それらが絶妙に絡み合う時、私たちの中で、何かが始まるのではないでしょうか。さしてワカくはないですが、ヨソから来たバカな私も、虎視眈々(たんたん)とそのチャンスを探しているところです。(日本銀行大分支店長)