発券課では、わが国で唯一の発券銀行としてお札(日本銀行券)を発行しているほか、政府が発行している硬貨(貨幣)を取り扱うなど、世の中にお金を供給しています。また、傷んだお札、硬貨を新しいお金に引き換える仕事なども行っています。
日本銀行は、わが国で唯一の「発券銀行」として、日本銀行券(お札)を発行しています。また、政府が発行する貨幣も日本銀行の窓口を通じて世の中に供給されています。
発券課では、金融機関を通じてお札と硬貨を世の中に供給しています。日本銀行から支払われたお金は、給料の引出し等により金融機関から皆様の手に渡り、世の中で流通し、再び日本銀行に戻ってきます。
お札の一生をご覧になりたい方は、「銀行券の一生(日本銀行本店のホームページへリンク)」をご覧ください。
傷んだお金の交換
引換業務は、傷んだお札や硬貨を、新しいお札や硬貨に交換(引換)する業務です。引換のために窓口に持ち込まれたお札や硬貨は、下の写真のように、整然と並べて枚数を調べる貨幣マスや、細かな部分をチェックするためのルーペなどを使用し、お札や硬貨を法令等の基準に照らして鑑定されます。
なお、引換業務については、日本銀行の本支店がお近くにない場合のために、銀行や信用金庫等にも取り次ぎをお願いしています。また、当店にお持ち込みになる場合には、事前にご連絡頂きますよう、ご協力をお願いします(発券課:089-933-9431)。
傷んだお金の交換について詳しいことをお知りになりたい方は「損傷したお金の引換え窓口(日本銀行本店のホームページへリンク)」をご覧ください。
この板(貨幣マス)には、50個または100個のマス(枠)があり、硬貨を並べて枚数を確認します。
金貨など硬貨が本物かどうか、ルーペ(拡大鏡)を使って確認します。
銀行券自動鑑査機
日本銀行では、戻ってきたお札や硬貨の鑑査(偽札がないか、再度流通に適するものかなどをチェックすること)を行っています。
お札の鑑査は、以前は全て人手で行っていましたが、現在は「銀行券自動鑑査機」という機械で処理しています。
なお、お札の平均寿命は、一万円札が3~4年、五千円札、千円札が1~2年と言われています。
業務課(執務中)の様子
業務課では、金融機関との当座預金取引に関する業務や、国(政府)の資金(国庫金)の受け払いに関する業務、国債に関する業務を行っています。
日本銀行は、日本銀行法(第33条)に基づき、金融機関などを取引相手とした預金業務を行っています。この預金の殆どは「当座預金」の形を取っています(「日銀当預」と呼ばれます)。民間の金融機関では、個人や一般企業の預金の振替や振込等によって発生するお金のやりとり(金融機関の間での資金決済)を、日本銀行の当座預金を通じて行っています。
また、こうした当座預金口座は、金融機関など口座を保有する取引先同士の資金決済や、取引先と日本銀行との間の決済(債権債務関係を解消すること)に利用されるほか、準備預金制度が適用される金融機関(注)においては、法律で求められる準備預金の積み立て口座としても使用されます。
(注)準備預金制度とは、取引先金融機関に対して、受け入れている預金の一定比率以上の金額を日本銀行に預け入れることを義務付ける制度で、銀行、信用金庫(預金残高1,600億円超の信用金庫のみ)、農林中央金庫に適用されます。
こうした当座預金取引に関して、支店の業務課は、取引先金融機関による現金の入出金や、振替依頼などに基づいて、当座預金の入金・引き落とし事務を行っています。
例えば、取引先金融機関(A銀行)が当座預金口座に現金を入金するケースでは、A銀行は日本銀行松山支店に来店し、発券課へ現金と入金額を記載した当座勘定入金帳を持ち込みます。発券課では、現金と同入金帳の記載金額が一致することを確認したうえで、業務課へ同入金帳を回付します。業務課では、A銀行の当座預金口座へ入金処理を行います。なお、業務課は、こうした当座預金口座の入出金の動きを反映させた取引先金融機関の準備預金の積み立て状況を、必要に応じて総務課へ連絡し、総務課では、これを金融市場の動向や取引先金融機関の資金繰りなどのモニタリングに役立てています。
日本銀行に保有する当座預金口座を利用した、金融機関など口座を保有する取引先同士の間、あるいは取引先と日本銀行との間の決済は、現在、「日本銀行金融ネットワークシステム」(「日銀ネット」と略称されます)という、日本銀行本支店と取引先金融機関をオンラインで結んだコンピューター・オンライン・ネットワークシステムを通じて処理されています。
このような決済を迅速・効率的に行うためのインフラを提供することも、「銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保」(日本銀行法第1条)という日本銀行法で定められた日本銀行の目的を実現するための、重要な業務のひとつです。
日本銀行は、日本銀行法(第35条)に基づいて、国(政府)の資金(「国庫金」と呼んでいます)の受け払い業務を行っています。
より具体的には、国(政府)は日本銀行に当座預金口座を持っており(注)、国が集める税金、社会保険料、交通反則金などの受け入れ(受け入れる国庫金を「歳入金」と呼んでいます)や、国から支払われる経費、公共工事の代金、年金、国家公務員給与などの支払い(支払われる国庫金を「歳出金」と呼んでいます)は、すべてこの預金口座を通して行われています。日本銀行が「政府の銀行」と呼ばれる所以です。
支店の業務課では、(1)窓口で直接、税金や交通反則金などの納付を受け入れたり、国家公務員給与の支払いを行うほか、(2)国からの経費などの支払いのための振り込みや、(3)代理店が取り扱った国庫金業務の取りまとめを行っています。
(注)国(政府)は当座預金のほかに、特別の目的のために使用される「別口預金」や「指定預金」も保有しています。
納税者や年金受給者など、国(政府)と資金のやり取りを行う人は、膨大な人数に上ります。また、日本銀行本支店が近くにない方にとっての利便性も勘案し、日本銀行は、国庫金の受け払いに関する業務を、民間金融機関にも取り扱ってもらう代理店制度を設けています。
代理店には、日本銀行と同じように歳入金、歳出金いずれの業務も取り扱う「一般代理店」、歳入金のみ取り扱う「歳入代理店」、国債の元金や利子の支払いを行う「国債代理店」があり、それぞれ店頭に看板(「日本銀行歳入代理店」など)を掲げています。
【日本銀行歳入代理店の看板】
日本銀行歳入代理店の看板
代理店の店舗には、こうした看板が掲げられています。
日本銀行では、利用者の方の利便性の向上と事務の効率化を目的に、国庫金の受払事務のデジタル化を進めています。詳細については、「国庫金事務のデジタル化(日本銀行本店のホームページへリンク)」をご覧ください。
【 国庫金に関する業務のご照会先 】
国の資金(国庫金)の支払い(振り込み)に関するお問い合せ(6番窓口)電話番号:089-933-9443
その他国庫金に関するお問い合せ(6番窓口)電話番号:089-933-9443
日本銀行は、日本銀行法や国債ニ関スル法律などの法令により、国債に関する業務(発行、元利金の支払い、振替など)を行っています。
国債には様々な種類があり、利子の支払い方法や発行の目的などが異なっています。国債の種類については、「国債便覧(日本銀行本店のホームページへリンク)」をご参照ください。
なお、平成15(2003)年1月からは「社債等の振替に関する法律」の施行により、国債はペーパーレスになっています(国債証券は発行されません)。
【 国債に関する業務のご照会先 】
(5番窓口)電話番号:089-933-9445
総務課では、愛媛県内の金融や経済に関する調査活動および広報の仕事のほか、勤務管理や施設の維持・補修、物品調達、警備など内部管理部署としての仕事を行っています。
日本銀行松山支店は、日本銀行の設立目的のひとつである金融・決済システム「教えて!にちぎん」決済と日本銀行の役割(日本銀行本店のホームページへリンク)の安定のため、本店と連携して、愛媛県内の金融機関の経営状況を、ヒアリングなどを通じてモニタリングするとともに、健全性確保に向けた意見交換などを行っています。また、愛媛県内経済の現状について、預金や貸出金の動きなど、金融の面からも調査しています。
支店長との打合せの風景
愛媛県経済の動向を把握するため、県内各地へ出向き、経営者の方々などから直接業況などについてお話を伺っているほか、各種統計データを収集し、ミクロ・マクロ両面から分析を行っています。また、四半期(3・6・9・12月)ごとに短観調査を実施し、各企業の業況判断や売上、収益、設備投資計画などを調査しています。
記者会見の風景
金融・産業調査活動から得られた情報は、「愛媛県金融経済概況」(毎月)、「全国企業短期経済観測調査(愛媛県分)」(四半期<3・6・9・12月>ごと)として取りまとめ、記者会見などを通じ公表しています。このほか、店内見学の受付、金融広報委員会としての活動など情報発信に努めています。
日本銀行は、「災害対策基本法」上の指定公共機関として、災害発生時に通貨の円滑な供給、金融上の応急措置など、日本銀行が行うべき業務を速やかに実施することが求められています。