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事務所長のページ

所長から「ちょっと一言」

2025.2.18

雪・寒波

大雪や寒波のニュースが続いています。日本海側や東北地方などでは、例年の数倍の積雪となる中、建物倒壊、道路の不通、除雪作業中の事故など、被害も出ています。復興途上の能登地方も心配です(地震により道路の消雪装置が壊れて使えなくなっているとの報道も目にしました)。九州も寒波と雪に見舞われ、1~2月は佐賀でも積雪がありましたが、大きな被害はなかったようです。佐賀の穏やかな気候のありがたさを感じつつも、その反面、慣れない積雪や凍結には気を付けないといけません。身近では「雪で機械式駐車場が作動せず、車が出せなかったから次は注意する」という話がありましたが、小さなことでも経験を踏まえて備えることも大切です。
大雪の原因の一つに、日本海の水温が平年より高く、雪の元となる水蒸気が多く供給されることがあるそうです。大型台風と同じく大雪も温暖化が一因とは、環境問題は身近に迫る危機なのだと、改めて思いました。

所長から「ちょっと一言」一覧

2025.2.5

佐賀県の金融経済概況(2025年冬)を公表しました

2月3日に、佐賀県の金融経済概況(2025年冬)を公表しました。足もとの景気は「横ばい圏内の動きとなっている」と判断しました。前回(2024年秋・11月1日)公表の際には、「足踏みしている」状態からなかなか抜け出せないので「横ばい圏内」に、判断を半歩下げたイメージです…と説明しましたが、その判断を継続したということです。
個人消費は、節約志向が続いている一方で、年末年始など特別なときには出費を惜しまない消費傾向がみられ、「底堅く推移している」(=下がることなく安定している)状況です。この消費傾向は、ハレの日<=記念日など特別な日>需要とも呼ばれ、お盆やクリスマス、野球の優勝セールなどでも見られました。
また、特別なときといえば、旅行・観光も、秋の行楽シーズン、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の期間、年末年始と好調さを取り戻しています。
生産においては、統計(鉱工業生産指数)が、食料品などを中心に低下傾向を脱しておらず、「一段と弱含んでいる」状況にありますが、世界的なIT関連財の回復に伴い、電子部品・デバイスで上向く動きも伺われます。こうしたことから、佐賀県経済全体が、今後低迷することまではないと考えています。
なお、アメリカの関税発動のニュースが注目されていますが、米国の政策は、先行きの不透明要素なので、佐賀県経済への影響を注視する必要があります。

2025.1.8

2025年(令和7年)もよろしくお願いいたします

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
年明けの佐賀は、穏やかな天候となり、また、年末年始の日並びが連休になり易かったので、遠出された方も多かったのではないでしょうか。私は、大晦日は広大な大詫間で有明海の彼方に沈む夕日を眺め、元旦はベランダから初日の出を拝み、三が日には、佐賀市内のいくつかの神社に初詣しつつ、初売りに立ち寄ったりと、比較的近場でゆっくりと過ごしました。仕事始めからは、唐津や鳥栖など各地にも新年ご挨拶に伺っていますが、皆さん、巳年の本年を脱皮する蛇にかけて「新たに成長する年」と希望を込めていました。
社会が大きく変化する中、先を見通すことは難しい時代ではありますが、本年が、佐賀県が明るい未来へと前進する、成長の年となることを願っています。
日本銀行佐賀事務所は、お札の円滑な供給・流通、金融経済に関する情報発信、地域の経済・金融情勢の把握、金融リテラシー向上に向けた活動などを通じて、佐賀県の発展に貢献できればと考えております。
引き続き、よろしくお願いいたします。

2024.12.24

2024年もお世話になりました

今年(2024年・令和6年)も残すところあと僅かとなりました。毎年、この時期になると1年の短さを感じますが、特に昨年の初夏に佐賀に着任した私にとっては、今年は丸1年を佐賀で過ごし、新しい出会いや新鮮な経験に感動する中で、まさにあっという間に年末を迎えた気がしています。
振り返ってみましょう。アフターコロナの世界で開催された、パリオリンピック・パラリンピックの余韻が続く中、佐賀では、SAGA2024国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会が開催され、国体から進化した新しい大会として、盛り上がりました。準備や付随するイベント・活動も含め、県外の人々に佐賀の魅力を知ってもらい、また、地域をスポーツで活性化する効果もあったと思います。
気候変動や自然災害の影響を実感した年でもありました。夏の猛暑、バルーンフェスタと重なった荒天、8月の日向灘の地震では、佐賀県内も最大で震度4を観測し、初の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表され、災害への備えの必要性を意識させられました。
日本銀行としては、皆さんのお財布の中でもよく顔を見るようになったと思いますが、7月3日の新しいお札(日本銀行券)の発行がありました。唐津出身の辰野金吾設計の東京駅が新一万円札にデザインされ、唐津市に7番目(AA000007AA)のお札が贈呈されたことも、話題となりました。
日本銀行佐賀事務所は、この1年も佐賀県の皆様方にご理解・ご支援をいただきました。改めて御礼を申し上げます。良いお年をお迎えください。

2024.11.29

続・佐賀の秋

佐賀の秋を満喫しようと、引き続き、県内各地に出向いています。豊かな佐賀の自然に感動しつつも感じたのは、秋の足取りの遅さです。
神埼市の九年庵と仁比山神社は、外国人観光客も含め賑わっていて、歴史的にも興味深い場所で十分に紅葉を楽しめましたが、写真で見るピークの色付きにはまだ到達していない感じでした。鹿島市の中木庭ダム湖畔や、「秋の有田陶磁器まつり」に合わせて訪れた有田町の歴史民俗資料館周辺などの紅葉スポットでも、同じように感じました。少々早めに見に行ってしまった様で、その後、一段と美しさを増したのだろうとは思いますが、従前の感覚だと、ズレてしまうのだな…と実感しました。
「地球温暖化」「異常気象」などと久しく言われていますが、この秋も、残暑が長引いたため、秋物衣料の売上げが伸びなかった時期がありましたし、最近でも海水温が高いことが有明海の県産海苔に影響しているとのニュースを目にするなど、気候は経済・産業にも大きな影響を及ぼします。
佐賀県経済を見ていく上でも、そうした影響にも留意していく必要があると考えています。

2024.11.15

佐賀の秋

11月とはいえ、日中に外を歩くと汗ばむ日もありますが、行楽の秋になったということで、各地を出歩いています。
バルーンフェスタは、最終日の競技と佐賀市内での夜間係留を見ることができました。悪天候によるイベント中止は残念ではありましたが、その中での一部実施は、関係の方々のご尽力によるものだと思います。唐津くんちでは、華麗な曳山巡行を間近に見ることができましたが、小学校校庭の臨時駐車場では丁寧に誘導していただきました。
みやき町の山田ひまわり園では、雨の中、親切に会場まで案内いただき、山々に霧のかかる中に咲く向日葵という、青空の下とは違った美しさを楽しめました。東与賀海岸のシチメンソウは、ここでしか見ることができない、まさに「海の紅葉」ですが、特産品の直売が賑わいを添えていました。
いずれも、素晴らしい観光スポット、観光資源であることは間違いないのですが、様々な場所で感じられる人々の親切さに、楽しさを「追加大盛り」にしていただいていると感じています。

2024.11.6

佐賀県の金融経済概況(2024年秋)を公表しました

11月1日に、佐賀県の金融経済概況(2024年秋)を公表しました。足もとの景気は「横ばい圏内の動きとなっている」と判断しました。2024年冬(2月公表)に「足踏みしている」に判断を引き下げてから、春(4月)、夏(8月)と同じ判断を続けてきましたが、今回、もう一段、判断を引き下げました。
微妙な表現ではありますが、「足踏み」からなかなか脱することができない状態であることを「横ばい圏内」とし、半歩下がったイメージです。
背景としては、個人消費は、物価上昇を受けた節約志向が続き、コロナ後の人々の活動再開による盛り上がりも一巡し、全体としては、力強さに欠ける状況が続いています。こうした中、生産において、物価高の影響による需要の鈍化に台風10号による工場の稼働停止などが加わり、統計上(鉱工業生産指数)も低下を辿っていることから、「弱含んでいる」から「一段と弱含んでいる」としました。
これまた微妙な表現ですが「弱含む」とは、下がり気味の傾向にあり、すぐには上がらなさそう…といったところでしょうか。
もっとも、底堅さを維持している個人消費が所得の上昇などにより持ち直してくることも期待されますし、企業の設備投資は高い水準が見通されています。
荒天によるバルーンフェスタのイベント中止は残念でしたが、秋の行楽シーズンにも期待しつつ、様々な角度から、今後の佐賀県の経済金融情勢を見ていきたいと考えています。

2024.10.15

SAGA2024

SAGA2024国民スポーツ大会は、10月5日に開会し、9月から始まった会期前実施競技を含め、県内各地・県外会場を舞台に熱戦が続いてきましたが、今日15日が閉会式です。
私はSAGAスタジアムの開会式を観覧し、配布された青いTシャツを着て、スタンドの観客とフィールドの選手団がともに盛り上がる一体感を味わうことができました。
国体から国スポに変わる新しい大会をつくることを目指し、これまで関係者の方々が積み重ねてきた準備の上に、選手皆さんの鍛錬の成果が発揮され、素晴らしい大会となったのではないでしょうか。街で都道府県名の入ったウェアの人々とすれ違ったり、試合結果に沸く日々が終わるのは少し寂しいですが、次は10月26日からスタートする「全国障害者スポーツ大会」が待っています。佐賀の熱い秋は、まだまだ続きます。

2024.9.30

佐賀の名月

中秋の名月の9月17日、県内各地でも美しく丸い月を見ることができました。中秋の名月とは、旧暦の8月15日の夜に見える月ですが、「丸い月」としたのは、今年の満月は17日ではなく翌日18日だったからです。このようなズレはよくあることで、今年以降、数年続くそうです。17日の佐賀の最高気温は37.2度、秋とはほど遠い暑さの中、夜空を見上げた方も多かったのではないでしょうか。私は、その数日前、佐賀市星空学習館の定例観望会に行く機会がありました。その夜は空一面を薄い雲が覆っていたのですが、スタッフの方々は何とか楽しんでもらおうと、雲の隙間から見える月に、ドーム内の大きな天体望遠鏡を向けて、クレーターの一つ一つまでハッキリ見える月の姿を見せてくれました。さらに、望遠鏡にスマホをくっつけて写真を撮る方法を教えていただき、図鑑で見るような月面写真を自分で撮影できて、よい記念になりました。参加している子供達も楽しそうで、天体への興味も膨らんだのではないでしょうか。市街地の近くですが、広大な佐賀平野と有明海のお陰で、空の視界が確保されているそうです。こうした大人も子供も好奇心を刺激される環境と施設が身近にあることも、佐賀の魅力の一つだと思いました。

2024.9.4

ナンバー7(AA000007AA)

新しいお札の発行開始(7月3日)から、2か月が経ち、皆さんも徐々に目にする機会が増えてきたのではないでしょうか。
発行開始日には、日本銀行から新しいお札にゆかりのある地方公共団体などに、若い記番号のお札が贈呈されました。九州では、千円札の肖像となった北里柴三郎(1853-1931)の出身地である熊本県の小国町に、新千円札の5番目(AA000005AA)が贈呈されましたが、わが佐賀県においても、唐津市に新一万円札の7番目(AA000007AA)が贈呈されました。唐津出身の「日本近代建築の父」辰野金吾(1854-1919)が設計した東京駅・丸の内駅舎(1914年竣工)が裏面にデザインされているからです。ちなみに、辰野のもう一つの代表作と言われる日本銀行本店本館(1896年竣工)は、過去にいくつかのお札のデザインとなっています。伊藤博文が肖像であった千円札の裏面に描かれていた建物を覚えている方もいるのではないでしょうか。
先日、唐津市において、新一万円札発行の記念講演をさせて頂く機会があり、辰野が監修した旧唐津銀行に展示されている「ナンバー7」を見てきました。ガラスケースに収められた一万円札を見ながら、これが地域の魅力や新しいお札のことを広く知っていただくことに役立つといいな…と思いました。

2024.8.15

猛暑の夏

佐賀に赴任して2度目の夏を迎えました。あまりの暑さに「今年の夏はどのくらい暑いのだろう…」と思い、佐賀地方気象台のホームページを経由して気象庁のデータを見てみると、佐賀の1890年!からの気温をはじめ、膨大な気象データが掲載されていました。
今日は終戦の日です。その日、昭和20年8月15日の佐賀の最高気温は32.3度でした。
今年はというと、7月の月平均気温(29.0度)は同月の観測史上3位、8月5日は観測史上9位の最高気温(38.3度)を記録した日、など、確かに暑い夏です。様々な長期データをパソコンでグラフ化してみると、佐賀における温暖化の進行を見て取ることができます。
夏は夏らしく、冬は冬らしく季節がメリハリをもって巡ることは、経済面では消費に好影響なのですが、暑過ぎて外出を控えるなど、人の動きが鈍ると、経済にマイナスの影響も出てしまうのではないかと心配されます。経済への影響は、県内の経済界の方々などから状況を伺いたいと思っていますが、まずは皆さんの健康第一です。熱中症にはくれぐれも気をつけましょう。

2024.8.5

佐賀県の金融経済概況(2024年夏)を公表しました

8月1日に、佐賀県の金融経済概況(2024年夏)を公表しました。足もとの景気は「回復の動きが足踏みした状態が続いている」と判断しました。前々回(冬:2月6日公表)に「足踏みしている」に判断を引き下げ、前回(春:4月30日公表)は「足踏みした状態が続いている」とし、今回も同様としました。つまり、この半年間「足踏み」が続いていると判断したということです。
その背景ですが、個人消費において、物価上昇を受けた節約志向の消費行動が続いている中、ペントアップ需要(コロナ禍でPent-up=抑制して先延ばしにしていた需要)の盛り上がりも一段落し、消費全体としては、力強さに欠ける状況が続いています。住宅投資も、土地の値上がりや建築コストの上昇を受け、需要はやや弱くなっています。
もっとも、節約一辺倒ではないイベントや記念日などで「お金を使うときは使う」消費の堅調は続いているほか、自動車販売における一部メーカーの工場稼働停止の影響も弱まりました。また、人手不足は深刻な問題ではありますが、その一方で有効求人倍率は高く、所得も上向いています。海外経済の先行きなど、なかなか県内ではコントロールできない不安要素もありますが、「SAGA2024国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会」など、県内が熱く盛り上がるこれから、佐賀県経済も再浮上していくことを期待したいと思います。

2024.7.16

お札(日本銀行券)のユニバーサルデザイン

7月3日発行開始の新しいお札、徐々に皆さんのお手元にも届いている頃でしょうか。前回は、新紙幣の偽造防止技術などについてお話ししましたが、今回は、お札の「ユニバーサルデザイン」についてです。ユニバーサル(Universal)を英和辞典で引くと「全体の、万人の、普遍的な、共通の」などと訳されています。新しいお札には、次のような「どなたにも分かりやすいデザイン」が採用されているのです。
①額面数字(アラビア数字)を大きく、かつ目立つ位置に変更しています、②これまでもあった識別マーク(指で触って券種が分かるマーク)をより分かりやすい形(11 本の斜線)に統一し、券種毎に位置を変えています、③ホログラムとすき入れの形や配置を券種毎に変えています。
年齢、国籍、障がいにかかわらず、券種を識別しやすくする工夫の数々、皆さんも新しいお札を実際に見て、触って、確かめていただければと思います。
最後に繰り返しの注意です。新しいお札の発行に伴う詐欺事件が、既に発生しているというニュースがあります。前のお札も、引き続き通用します。「以前のお札は使えなくなる」などという偽情報や詐欺行為には、くれぐれもご注意ください。

2024.6.28

お札(日本銀行券)が変わります

7月3日水曜日から、新しいお札の発行が始まります。今のお札は2004年(平成16年)11月発行なので、20年ぶりの改刷(絵柄・デザイン変更)です。表面の肖像は、福沢諭吉⇒渋沢栄一(一万円札)、樋口一葉⇒津田梅子(五千円札)、野口英世⇒北里柴三郎(千円札)にバトンタッチされますが、一万円札の裏面には、唐津出身の「日本近代建築の父」辰野金吾(1854-1919)が設計した東京駅・丸の内駅舎(赤レンガ駅舎)が描かれています。改刷の主目的のひとつは「偽造抵抗力」の強化です。コピー機などの印刷技術がデジタル化により著しく高度化している中、偽札を作らせないための数々の最先端技術が用いられています。肖像が立体的に見え、お札を見る角度によって、肖像の顔の向きが回転する「3Dホログラム」、肖像のすかしの周囲に緻密な画線で構成した連続模様を施した「高精細すき入れ」が新たに採用されているほか、従来からの「パールインキ」(お札の左右両端のピンク色の光沢)や、「マイクロ文字」(肉眼では見えないくらいの微小な「NIPPONGINKO」の文字印刷)などなど、多岐にわたる偽造防止技術が搭載されています。
お札を発行し、全国の人々に円滑に行き渡るようにするとともに、皆さんがお札を安心して使えるようにすることは、日本銀行の大きな役割のひとつです。
今回の改刷に際しても、既に全国で約50億枚の新しいお札を備蓄して、態勢を整えていますので、タイミングはバラつきが生じますが、皆さんのお手元に届くのをお待ちください。
最後に一言、現行のお札は新しいお札の発行後も、引き続き通用します。「お札が変わると、前のお札は使えなくなる」などという偽情報や詐欺行為には、くれぐれもご注意ください。

2024.6.17

蛍の里

6月に入り、急に暑さが増してきて、爽やかな初夏はあっという間に過ぎ去った感じですが、佐賀に着任して1年、この季節を待っていました。近場で蛍を見られると聞いていたからです。昨年は転勤の慌ただしさで見逃したので、今年こそはと構えていましたが、「今年は例年より早いようだ」という情報を聞いて、急ぎ6月初に小城市の祇園川を訪れました。日が暮れ、暗くなるにつれて、光がゆらゆらと舞い始め、徐々に増していく様子は、まさに幻想的な風景でした。次の週の観賞会にも参加したので、結局、2回見に行きました。蛍は、10年ほど前に信州のリゾート地で見たのが最後ですが、こんなに沢山の蛍を見たのは初めてです。また、東京では大きなテントの中に蛍を放し、そこに入って観賞するというイベントがあったのですが、長蛇の列で入るのを諦めたことがありました。県の観光サイトを見ると、佐賀、唐津、嬉野、武雄、みやき、有田…と、県内各地の観賞スポットが紹介されていました。こんなに身近に蛍が好む美しい水辺があることは、地元の方には当たり前なのかもしれませんが、大変価値があることだと思います。来年は、もっと情報収集して、県内の蛍の里巡りをしようと、(早過ぎですが)次の初夏へと思いを馳せています。

2024.5.31

高校生パワー

休日の昼間、寛ぎながら、何となくテレビのチャンネルボタンを押していたところ、陸上競技場のトラックを駆け抜けていくランナー達の映像が目に飛び込んできました。現在、県内各地で開催されている、令和6年度・第62回・佐賀県高等学校総合体育大会(県高校総体)の中継でした。プロ競技ではありませんし、知っている選手がいる訳でもありませんが、抜きつ抜かれつの競技自体の魅力と、全力で走る姿に、思わず見入ってしまいました。日頃の練習の成果を出そう、自己ベストを越えようという意気込みは、画面からも伝わってきます。その日の午後遅くには、佐賀アリーナの横をたまたま通り掛かり、学校名を背負った揃いのジャージで帰路につく高校生達をたくさん見かけましたが、(それぞれ勝ち負けはあったのでしょうが)疲れたというより、みんな、まだまだ元気な様子でした。
高校生パワーを目の当たりにしながら思い出したのは、佐賀県の「プロジェクト65+」という高校生の県内就職率65%以上を目指した取組みです。今年4月には3月の卒業者の速報値67%という数字が公表され、上昇傾向にあるようです。佐賀県で育まれた若者のパワーが故郷を発展させる原動力となることは、素晴らしいことだと思います。そしてもちろん、県外から来てくれるパワーも大歓迎です。

2024.5.17

行楽シーズン・おもてなし

「春の行楽シーズン」というのは、いつを指すのだろうかと調べてみたものの、なかなか明確な定義を見つけることができませんでしたが、大体、お花見からゴールデンウィークまでの期間を指すようです。気持ちよく外出できる気候であることも条件だと思いますが、近年は気候変動の影響で、5月半ば以降はかなり暑くなってくるので、この定義は実感にもフィットする気がします。
先日のゴールデンウィーク、私は、有田陶器市、佐賀市周辺のドライブ(道の駅や直売所に立ち寄り)、アウトレットモール、などで過ごしました。どこも賑わっていましたし、駐車場は県外ナンバーも多く混んでいましたが、大渋滞などのストレスはほとんどなく、首都圏で40キロの渋滞を経験してきた身からすると、純粋に行楽を楽しむことができて、大満足でした。そして、ストレスとは反対に印象に残ったのは、有田での、町や店舗の方々の、温かく親切な様子でした。駐車場、シャトルバス乗り場、食事処、陶磁器店などのいずれにおいても、おもてなしの気遣い(ホスピタリティ)を感じました。ある店では「以前お世話になったので、またこの店に来た」という、お客さんと店の方の会話をたまたま耳にしましたが、それも納得できました。観光振興の方策は様々ありますが、その土地が温かく歓迎してくれた思い出は、根っことして大切なことなのだと、改めて思いました。

2024.5.7

佐賀県の金融経済概況(2024年春)を公表しました

4月30日に、佐賀県の金融経済概況(2024年春)を公表しました。足もとの景気は「回復の動きが足踏みした状態が続いている」と判断しました。前回(冬:2月6日公表)、「一時的に回復の動きが足踏みしている」に判断を引き下げましたが、それを据え置いたかたちです。「足踏み」が続いている一番の理由は、個人消費の状況です。物価上昇を受けた消費者の節約志向が続いている中、一部メーカーの工場稼働停止による自動車販売への影響などもあり、消費全体としては、力強さに欠ける状況が続いています。
もっとも、節約志向がますます強まっている訳ではなく、人々もお金を使うときは使っていて、イベントや記念日、旅行・観光などに関する消費は堅調です。また、有効求人倍率は高く、所得も上向いている中で、今後の賃上げ期待も広がっています。これらに支えられ、県内の個人消費、そして景気全体が、足踏みから抜け出していくことが期待されます。

2024.4.15

第200回全国企業短期経済観測調査(2024年3月)

4月1日に2024年3月短観(全国企業短期経済観測調査の通称)の結果が公表されました。短観とは、日本銀行が四半期毎に約1万社の企業を対象に実施している統計調査です。今回は第200回調査で、ほぼ現在のかたちの調査となった1974年(昭和49年)から、50年の節目を迎えました。短観が長きにわたり、景気・企業動向を見る代表的な統計であり続けているのは、約1万社からの回答率が毎回99%超!という、企業の皆様の御協力のお陰です。改めまして、御礼申し上げます。
調査の結果ですが、注目度が高い大企業の業況判断D.I.※は、製造業は、一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響などにより、+11%(前回12月の調査では+13%)と4四半期ぶりに悪化しました。非製造業は、値上げ(価格転嫁)が進んでいることや、訪日外国人の増加(インバウンド需要)などにより+34%(前回は+32%)と改善し、バブル景気以来の高いレベルに達しています。こうした中、人手不足が益々深刻化しています。従業員が不足しているとの回答割合は、一段と高まり、これもバブル期以来となっています。人手不足は賃金の上昇(人件費増加)に繋がりますが、これが価格に転嫁され、物価と賃金がバランスよく上昇していくかが、今後注目されます。
※業況判断D.I.(Diffusion Indexの略)とは、短観を代表する指数です。企業の業況について「良い」「さほど良くない」「悪い」の選択肢で質問し、「良い」と回答した企業の割合から「悪い」の割合を差し引いた数字で表します。

2024.3.29

ゆく年度くる年度

佐賀でも桜の開花が遅れているようで、新年度(2024年度・令和6年度)は、満開の桜を見上げながらのスタートとなりそうです。年度替わりは、進学、進級、転勤、転職、部署異動、などなど別れと出会いの季節です。私自身は、昨年の5月に東京から佐賀に転勤してきて、故郷(長崎)に近く、自然も文化も豊かな土地で、皆さんに優しく迎えて頂いたので、あまり(全然)寂しくなかったのですが、約30年前のインターネットもない時代に九州から上京したときの希望と不安の入り混じった気持ちは、昨日のように思い出せます。その後、何度も自分自身と周囲の人々の異動・転勤を経験して慣れっこになっていましたが、佐賀に来て人との関係が濃くなったせいか、最近は転勤のご挨拶を頂くと、寂しく感じるようになりました。
佐賀で生まれ育って県外に出る人から、短い期間で佐賀を離れる人まで、様々でしょうが、離れて分かる故郷佐賀の良さが沢山あると思いますし、短くても一時期を過ごした佐賀の思い出を忘れないで頂きたいと思います。
そして、新年度には、佐賀に進学、赴任してくる人達がいます。私もまだ新参者ではありますが、今度は、そうした方々に佐賀の楽しさ、美味しさ、奥深さを(先輩ぶって)お伝えしようと、今から楽しみにしています。

2024.3.15

雛祭り・ひな・ひいな

3月といえば、雛祭り。佐賀市では「佐賀城下ひな祭り」が開催され、私もレトロな建物の中に飾られた美しいお雛様を見に行きました。以前、県外の方から「『ひいな祭り』と呼ぶ地域があるけれど、佐賀はどうですか?」と聞かれました。調べてみると、京都の市比賣(いちひめ)神社の「ひいなまつり」が有名なほか、大分の杵築市の「ひいなめぐり」や、新潟の「絵紙と小千谷のひいな祭り」などがありました。県内でも「唐津のひいな遊び」では市内に古くから伝わる雛人形を、「有田雛( ひいな) のやきものまつり」では磁器のお雛様を、街中を巡って楽しめる華やかな行事があります。ひなまつりの源流は、諸説あるようですが、古くは人形を「ひいな」と呼び、貴族の子供の「ひいな遊び」が江戸時代に雛祭りに変わっていったそうです。人形が主役のイベントなので、古式ゆかしく「ひいな」と呼んでいるのだろうと思いましたが、確かに春を感じさせる優雅な響きのように(何となく)感じます。

2024.2.29

延暦15年・慶長2年

先日、梅の名所として名高い、小城市の牛尾梅林を訪れました。2月上旬だったので、まだ梅は咲き始めでしたが、その代り、人出は少なかったので、満開になったときを想像しながら、ゆっくりと散策することができました。梅林のある丘には、菜の花も咲いていて、天気がよかったので、丘の上からは、眼下に佐賀平野を見渡せました。
のんびりと歩いて行くと、丘を少し下りたところに、牛尾神社があります。創建は延暦15年(796年)とのこと、なんと、あの「鳴くよ(794)ウグイス」の平安京遷都から2年後、平安時代の初めです。そして境内には、県内最古級の肥前鳥居が建っていて、柱には、うっすらと慶長2年(1597年)の銘を読むことができます。慶長2年といえば、名護屋城を拠点とした「慶長の役」開戦の年(翌年、豊臣秀吉が死去し撤退)であり、そして、鳥居はこの戦に出征した初代藩主・鍋島勝茂公が奉納した鳥居とのことです。梅を見に行ったはずが、またも、佐賀の歴史に思いを馳せる一日となりました。

2024.2.6

佐賀県の金融経済概況(2024年冬)を公表しました

本日、佐賀県の金融経済概況(2024年冬)を公表しました。足もとの景気は「一時的に回復の動きが足踏みしている」と判断しました。これまで、夏(8月1日公表)に「緩やかに回復している」に判断を引き上げて、秋(11月1日公表)も同じ判断を継続していたので、半年ぶりの判断変更です。判断を引き下げた主な理由は、個人消費の回復が一時的に鈍っていることです。コロナ後、人々の動きが活発になり、お金を使い始め、求人の増加や賃金の上昇も、消費を後押ししています。一方で、皆さんも実感されているように物価が上昇しているので、節約志向が広がってきています。佐賀県では、足もと、節約の影響が一部の商品の売上高に現れているようなので、個人消費の判断は「物価上昇の広がり等から、一時的に回復の動きが足踏みしている」と判断しました。
もっとも、設備投資や雇用・所得などは上向いているほか、人々も節約一辺倒ではなく、使うときは使うメリハリのある消費行動をしています。なので、これから景気が下り坂になるとまでは考え難く、足踏みから、再び前進していくことを期待しています。

2024.1.9

2024年もよろしくお願いいたします

年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
また、この度の能登半島地震により、被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。
今年は、災害・事故が相次ぐ年明けとなりましたが、新型コロナ5類移行後初めてのお正月ということで、帰省や初詣など、人出はかなり多かったようです。
私も三が日の間に、佐嘉神社などいくつかの神社に行き、松原神社では拝殿の輝く龍の彫刻を拝見しました。
今年の干支は甲辰(きのえたつ)ということで、新しいことをはじめて成功する年、これまで準備してきたことが実を結ぶ年、と言われています。SAGA2024国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の開催など、本年が新しい佐賀県への、さらなる飛躍の年となることを願っています。
本年も、日本銀行佐賀事務所は、お札の円滑な供給・流通(7月には、20年ぶりに新しい日本銀行券が発行されます)、金融経済に関する情報発信、地域の経済・金融情勢の把握、金融リテラシー向上に向けた活動などを通じて、佐賀県の皆さまのお役に立てればと考えております。
引き続き、ご理解・ご支援をよろしくお願いいたします。

2023.12.28

2023年もお世話になりました

今年(2023年・令和5年)が終わろうとしています。振り返ると、決して平穏な年ではありませんでしたが、世の中全体の変化としては、やはり、2020年春頃の第1波から、3年以上にわたって、私達の行動を制約してきたコロナ禍からの正常化ではないでしょうか。感染症法上の5類移行(5月)後、人々の動きが徐々に活発化し、コロナ前の生活が戻ってきました。もちろん、感染症がなくなった訳ではないので注意は必要ですが、夏休み、秋の行楽、お祭りなど様々な行事に「コロナ後初めての」の前置きがつけられ、バルーンフェスタは累計90万人を超える人出でした。そして、この正常化のタイミングで、SAGAアリーナがオープンし、B1のバルーナーズ、V1のスプリングスの試合や様々なイベントが盛り上がりを見せています。
人が動くと、消費に繋がり、消費は企業の売上げに繋がり、売上げは給与増に繋がり、給与増は、消費に繋がります。佐賀県内の景気も、このサイクルが回り始めていますが、これがしっかり続くかは来年が勝負となるでしょう。
日本銀行佐賀事務所は、この1年も佐賀県の皆様方にご理解・ご支援をいただきました。改めて御礼申し上げます。どうぞ良いお年をお迎えください。

2023.12.15

短観(2023年12月)が公表されました

12月13日に2023年12月短観の結果が公表されました。短観(たんかん)とは「全国企業短期経済観測調査」の通称で、日本銀行が四半期毎に約1万社の企業を対象に実施している統計調査です。調査の中で注目度が高い大企業の業況判断D.I.※は、製造業は、部品(半導体)不足が解消し生産が回復している自動車産業に牽引され、+12%(前回9月の調査では+9%)と3四半期連続で改善しました。非製造業は、コロナ後の人の動きの活発化、訪日外国人の増加(インバウンド需要)などにより+30%(前回は+27%)と改善し、約32年ぶり(バブル景気の頃)の高いレベルに達しています。製造業・非製造業ともに幅広い業種で改善していて、値上げ(価格転嫁)が進んでいることも業況改善を後押ししています。一方で、短観の質問に「人手不足」と回答した企業の割合は過去最高レベルとなっていて、さらに深刻化しているほか、物価高が続く中で人々に節約志向が広がっているとの声も聞かれていて、これらが景気に与える影響は、注意して見ていく必要があります。
※業況判断D.I.(Diffusion Indexの略)とは、短観を代表する指数です。企業の業況について「良い」「さほど良くない」「悪い」の選択肢で質問し、「良い」と回答した企業の割合から「悪い」の割合を差し引いた数字で表します。

2023.11.30

九州佐賀国際空港

今週、出張があり、佐賀空港(九州佐賀国際空港)を利用しました。いつもながら、空から見る有明海の美しさ、便利で快適な空港施設、市街地へのスムーズなアクセスが嬉しく、とても好きな空港です。
国土交通省が公表している「空港管理状況調書」という資料があります。最新は2022年のデータですが、コロナの影響がない2019年(令和元年)の数字と国内空港における順位をみると、佐賀空港は、乗降客数:81万人(38位)、着陸回数:0.5万回(40位)となっています。両隣の福岡空港は2,468万人(4位)・9.1万回(4位)、長崎空港は336万人(14位)・1.6万回(14位)でした。
佐賀空港にとって、今年は、開港(1998年)から25周年、利用者1000万人到達の節目の年となりました。現在、滑走路の延長が計画されていますが、延長を待たずとも、佐賀空港の魅力を、過密で有名な福岡空港利用者を含む周辺エリアの方々にもっと知ってもらい、北部九州の人の往来の拠点として、佐賀県の発展を後押ししていくことを願っています。

2023.11.15

豪華イベントはしご

11月の三連休の佐賀県は、好天に恵まれ、夏に戻ったような陽気でした(11月の観測史上最高気温を更新した地点もいくつかありました)。そうした中、県内では、様々なイベントがコロナ前と同じ形で開催されました。
4年ぶりの海外選手本格参加となった「2023佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」。朝6時の列車で佐賀駅を出発し、競技スタートの一斉離陸を観に行きました。バーナーの炎を受けてバルーンがムクムクと立ち上がり、澄んだ空に次々と浮上する壮観な景色には、圧倒されました。そして、午後からは、唐津へと移動し、30数年振りに観る「唐津くんち」へ。曳山巡行と、全ての曳山が西の浜御旅所に一堂に揃った姿を観ましたが、(ユネスコ無形文化遺産である伝統文化なので当然ではありますが)昔の記憶そのままの、華やかで勇壮なお祭りでした。そして連休最終日には、バルーンの感動をもう一度味わいたくて、自転車を走らせ、フェスタの最後を飾る夜間係留(ラ・モンゴルフィエ・ノクチューン)の、幻想的な世界を楽しみました。佐賀の魅力(の一部)を堪能した、とても充実した三連休でした。

2023.11.1

佐賀県の金融経済概況(2023年秋)を公表しました

本日、佐賀県の金融経済概況(2023年秋)を公表しました。足もとの景気は「緩やかに回復している」と判断し、前回の夏時点(8月1日公表)と同様の判断としています。夏に判断を引き上げてからの継続なので、景気が回復を歩んでいる方向に向かっていることには変わりありません。コロナ後初めての夏休みシーズンはイベントなども通常開催に戻り、人の動きも活発になりました。これに伴い、個人消費が回復し、雇用・所得情勢も賃金の上昇がみられ、緩やかに改善しています。旅行・観光需要も、イベントや西九州新幹線効果に加えて、訪日外国人の需要(インバウンド需要)もあって、増加しています。もっとも、中国をはじめ減速気味の海外経済は、戦争・紛争なども含め、不確実性が高まっていますし、物価上昇や人手不足の影響も気になります。こうしたリスクに留意しながら、今後の当地の経済金融情勢を見ていく必要があると考えています。

2023.10.16

国スポ・全障スポまで1年

現在、鹿児島県では、「燃ゆる感動・かごしま国体」が開催されており、佐賀県勢の活躍も連日報じられています。そして、1年後2024年10月には、佐賀県において「SAGA2024国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会」が開催されます。1976年(昭和51年)の「若楠国体」以来の佐賀での開催ですが、今回は、国体(国民体育大会)から国スポ(国民スポーツ大会)に変わる初めての大会ということで、多くの新しい取組みが企画されているようです。社会におけるスポーツの価値が広く認められるようになった今の時代に相応しい、新たなスポーツの祭典を楽しみにしつつ、開催地県民としての参加者の意識も持って、大会を盛り上げていきたいものです。

2023.9.29

武雄温泉駅で待ち合わせ

先日、十数年振りに会う長崎在住の友人と武雄温泉駅で待ち合わせ、食事とミニ観光をしました。私の住む佐賀市と長崎との間の地を検討し、武雄としました。長崎の友人は、当初は在来線で佐賀方面に来ようとしていたのですが、普段マイカー利用ばかりなので、新幹線が開通した後の列車ダイヤを初めて見たらしく、減便を知って驚いていました。その一方で、乗車した新幹線が武雄まであっという間に到着するスピードを体感して驚いてもいました。ちょうど新幹線開業1年のタイミングでの出来事でしたが、便利と不便の両面のバランスの難しさを実感しました。武雄温泉では、楼門や新館を訪れました。これらは、前々回にお話した辰野金吾の設計ですが、東京駅や日本銀行本店とはまったく異なる、同じ人の作品とは思えない、竜宮城のような世界を創り上げています。東京駅のドーム天井を飾る8つの干支のレリーフと、楼門の天井にある4つの干支の彫絵を合わせて十二支が揃うそうですが、いつか彫絵の実物を見たいと思いながら、夕方の武雄を後にしました。

2023.9.15

災害に備えましょう

9月1日は「防災の日」ですが、今年は、関東大震災(1923年<大正12年>9月1日午前11時58分、マグニチュード7.9)から100年目の節目の日でした。長らく東京に住んでいた私としては、佐賀での揺れを感じることがない日々に、地震の少なさを実感しています。しかし、ゼロではありません。福岡県西方沖地震(2005年3月)や、熊本地震(2016年4月)では、県内の一部で強い揺れがあったことを憶えている方もいるかと思います。豪雨、台風については、近年、県内でも被害が頻発し、警戒感は高まっているでしょうが、それでも身近に被害がなければ、なかなか危機感は湧かないものです。しかし、備えや心構えの少しの差が、生死を分けることもあるのです。防災関連の報道や痛ましい災害のニュースを見て「もしも自分に災害の危険が迫ったら」を具体的に想像し、防災意識を高め、備えておくことが大切だと思いました。
日本銀行では、災害が発生した場合にも、お金の円滑な流通などの責務を果たせるように、業務継続体制の整備に努めています。

2023.8.31

旧唐津銀行(辰野金吾記念館)

先日、旧唐津銀行において「辰野金吾と日本銀行」という題で講演をさせて頂きました。旧唐津銀行は「日本近代建築の父」である辰野金吾(1854-1919)監修・弟子の田中実(1885-1949)設計による建物(1912年竣工)で、1997年まで佐賀銀行唐津支店として使用されていた、県の重要文化財です。辰野は、日本銀行本店(1896年竣工)や東京駅(1914年竣工)が代表作ですが、旧唐津銀行は、東京駅と同じ辰野式と呼ばれるレンガ造りの優美な建物です。辰野は、唐津藩の洋学校「耐恒寮」で学びましたが、同校には、東京丸の内のオフィス街の建物群を設計した曽禰達蔵(1852- 1937)や、辰野のもとで日本銀行本店の建設に携わり、軽井沢の旧三笠ホテル(国指定重要文化財)を設計した岡田時太郎(1859- 1926)も同時期に在籍していました。唐津で切磋琢磨した若者達が、その後、揺籃期の日本建築界をリードしたことは、とても誇らしいことだと思います。
辰野・曽禰の二人の像が、旧唐津銀行前と佐賀銀行本店の前にあります。

2023.8.15

夏の高校野球

第105回全国高等学校野球選手権記念大会では、佐賀県代表・初出場の鳥栖工業高等学校が、1回戦を見事に突破、昨日(14日)の2回戦は接戦の末惜敗しましたが、選手皆さんの健闘を讃えたいと思います。
去る7月23日、佐賀県大会の準決勝を観戦に、さがみどりの森球場へ行きました。広大な県立森林公園の中にある、文字どおり緑に囲まれ、天然芝のグラウンドは広く(グラウンド面積は甲子園より広い)、観客席も快適な素晴らしい球場でした。試合は手に汗握る展開で延長戦となり、タイブレークを初めて目の前で見ました。選手も応援席も一生懸命、駐車場の誘導でも高校生が頑張っていて、多くの方々が力を合わせ、大きな大会が運営されていることを実感しました。
今日8月15日は終戦の日。例年、甲子園でも正午には試合を中断して黙祷が行われます(本日は台風により試合中止)。安心してスポーツで競い、楽しめる平和な世界を心から願います。

2023.8.1

佐賀県の金融経済概況(2023年夏)を公表しました

本日、佐賀県の金融経済概況(2023年夏)を公表しました。足もとの景気は「緩やかに回復している」と判断し、前回の春時点(5月9日公表)から判断を引き上げています。個人消費が回復しているほか、設備投資の大幅な増加が続く中で、雇用・所得情勢が緩やかに改善しています。個人消費においては、経済活動の再開によって人の流れも増え、いわゆるペントアップ需要(コロナ禍でPent-up=抑制して先延ばしにしていた需要)が、モノ・サービスの両方で出てきています。旅行・観光需要も、全国旅行支援やイベント効果もあって、増加しています。もっとも、物価動向が個人消費や企業収益に与える影響や、海外経済の減速の影響などには留意しながら、今後の当地の経済金融情勢を見ていく必要があると考えています。

2023.7.18

短観(2023年6月)が公表されました

7月3日に2023年6月短観の結果が公表されました。短観(たんかん)とは「全国企業短期経済観測調査」の通称で、日本銀行が四半期毎に約1万社の企業を対象に実施している統計調査です。調査の中で注目度が高い大企業の業況判断D.I.※は、製造業で原材料価格の上昇が落ち着く中、販売価格の引上げが進んでいることなどから、+5%(前回3月の調査では+1%)と改善しました。また、非製造業でもコロナ禍で控えられていた買物・外出・外食の回復などにより+23%(前回は+20%)と改善しています。ただ、景気が回復しつつあることに伴い、全国的に人手不足感が強まり、事業に影響が出ているとの声も聞かれていて、景気の足を引っ張ることにならないか、注意する必要があります。
※業況判断D.I.(Diffusion Indexの略)とは、短観を代表する指数です。企業の業況について「良い」「さほど良くない」「悪い」の選択肢で質問し、「良い」と回答した企業の割合から「悪い」の割合を差し引いた数字で表します。

2023.6.30

吉野ケ里フィーバー

先日、吉野ケ里歴史公園を訪れました。4月に「謎のエリア」なる丘で石棺墓が発見され、6月の内部調査では、期待された副葬品こそ見つからなかったものの、今熱い注目を集めている地です。公開日ではなかったので、発掘現場は見ていませんが、緑豊かで広大な公園を気持ちよく歩きました。私が前にこの地に来たのは、平成になったばかりの吉野ケ里フィーバーの時でした。世紀の発見のニュースに、福岡からバイクで脊振の山を越えて、土が剥き出しの発掘現場を見学に来ました。途中、桜が満開で美しかった記憶もあります。あれから30数年、色々なことがあったなぁと感慨に耽るのも束の間、発見された石棺墓は約1800年前のものと推定され、また、このエリアには1万2000年前には人が住んでいたとのこと。悠久の時の流れの中では、30数年など一瞬のちっぽけなものだと、別の意味でも心がゆったりと癒されました。

2023.6.12

よろしくお願いいたします

5月29日付で日本銀行佐賀事務所長に着任しました西崎淳一と申します。当事務所の役割である、お札(日本銀行券)の円滑な供給・流通、金融経済に関する情報発信、地域の経済・金融情勢の把握、金融知識の向上に向けた活動などを通じて、佐賀県の社会・経済の発展のために少しでもお役に立てればと思っております。また、日本銀行の窓口として、県内各地をお訪ねし、皆様と交流させていただきながら、豊かな自然、古代から続く歴史と文化、美味しい産品などなど、たくさんの佐賀県の魅力を実体験し、様々な場で紹介していきたいと思います。引き続き、当事務所ともども、よろしくお願いいたします。

2023.5.22

ありがとうございました

5月22日付で異動することになりました。2021年6月に当事務所に着任し、約2年間を佐賀で過ごしました。着任後、暫くの間は、感染症の影響が続く中、様々な制約の下で、当事務所の活動を進めていくこととなりましたが、2022年半ば辺りからは感染症抑制と経済活動の両立が進む中で、佐賀県内も徐々に日常を取り戻し、活動を円滑に進めていくことができました。また、仕事以外の面でも、佐賀インターナショナルバルーンフェスタ、唐津くんち、有田陶器市、吉野ケ里遺跡などを訪れ、充実した生活を送ることもできました。改めて御礼申し上げます。先日、SAGAアリーナがオープンし、2024年には「国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会」が開催されます。佐賀県が今後、益々発展し、成長していくことを楽しみにしております。当事務所の活動に対して引き続きご理解・ご支援をいただけると幸いです。

2023.5.9

佐賀県の金融経済概況(2023年春)を公表しました

本日、佐賀県の金融経済概況(2023年春)を公表しました。足もとの景気は「持ち直している」と判断しています。個人消費が着実に持ち直しているほか、設備投資の大幅な増加が続く中で、雇用・所得情勢が緩やかに改善しています。個人消費については、経済活動の再開に伴う人流の改善、全国旅行支援やインバウンド、西九州新幹線が押上げに寄与し、旅行・観光が着実に持ち直しを続けているほか、コンビニエンスストアなどでの財消費も一段と改善しています。もっとも、最近の物価上昇については、家計の実質所得や企業収益に対する下押し要因として作用しているほか、海外経済についても、回復ペースが鈍化しています。こうした点が当地の経済金融情勢に与える影響については、引き続き留意していく必要があると考えています。

2023.4.20

佐賀県立美術館

「佐賀県立美術館(佐賀市)」を訪れました。この美術館では、佐賀県出身の日本近代洋画の巨匠・岡田三郎助の作品などが常設展示されています。明治期の画家としては黒田清輝がよく知られています。私自身も岡田三郎助のことは、この美術館を訪れるまで知りませんでしたが、岡田は黒田とも親交があり、東京美術学校(現東京藝術大学)の教授を務めたほか、第1回文化勲章も受章しています。また、この美術館の見どころの一つは「岡田三郎助アトリエ」です。これは岡田が東京に建てたアトリエを移築復原し、公開しているものです。明治時代のアトリエで、当初の姿で今日まで残されている例は他に確認されていないそうです。常設展示は、年間数回程度、展示作品の入れ替えが行われているとのことですので、これからも訪れたいと思います。

2023.4.10

短観(2023年3月)が公表されました

4月3日に2023年3月短観の結果が公表されました。短観は日本銀行が四半期毎に約1万社の企業を対象に実施している統計調査です。注目度が高い大企業の業況判断D.I.は、製造業が+1%、前回調査(12月)比▲6%ポイントの悪化となった一方、非製造業が+20%、同+1%ポイントの改善となりました。製造業では、原材料・コスト高の影響や海外経済の減速などを背景に業況が悪化しています。一方、非製造業では、感染症の影響緩和、全国旅行支援の効果、インバウンド需要の増加などを背景に業況が改善しています。先行きについては物価高や人手不足などを懸念する声が聞かれています。こうした点が経済活動に与える影響については、引き続きよくみていく必要があると考えています。

2023.3.31

佐賀城下ひなまつり

「佐賀城下ひなまつり(佐賀市)」が2月11日から3月21日の日程で開催されました。このまつりは、感染症の影響もあって3年振りの開催となるそうです。開催期間中は、徴古館や佐賀市歴史民俗館をはじめ市内各所で、ひな飾りが展示されたほか、656広場などでは様々なイベントも開催されていました。私自身も市内各所で展示されているひな飾りを見て回りましたが、普段はあまり見かけることがないグループや家族づれで街中を歩く姿が見られました。県内では「さが桜マラソン2023」や「鹿島酒蔵ツーリズム」も4年振りに開催されています。来年度にかけてこうした様々なイベントが再開され、県内各地に賑わいが戻ってくることを期待しています。

2023.3.20

金融広報アドバイザー

3月10日付のちょっと一言で、「佐賀県金融広報委員会」について、お話しさせて頂きましたが、今回はその続きです。佐賀県金融広報委員会では、金融や経済に関する情報提供や、学校などでの金融・金銭教育活動の支援を行っていますが、これらの活動を実際に担っているのが「金融広報アドバイザー」です。同委員会では、金融・金銭教育や生活設計の第一線で活躍している方々にアドバイザーを委嘱し、学校の授業、大学の講義、公民館や地域サークルの講座・学習会などの講師として派遣しています。現在、佐賀県では15名の方が同アドバイザーとして活動しています。講師派遣をご希望される方は同委員会の事務局(佐賀県くらしの安全安心課内)までご相談ください。

2023.3.10

佐賀県金融広報委員会

「佐賀県金融広報委員会」ってご存じでしょうか?佐賀県金融広報委員会は、佐賀県、佐賀財務事務所、日本銀行佐賀事務所、民間金融機関、民間団体などが協力し、県民の皆様に中立・公正な立場から、暮らしに身近な金融や経済に関する情報提供や、学校などでの金融・金銭教育活動の支援を行っている組織です。事務局は佐賀県くらしの安全安心課内にあります。具体的な活動内容としては、「金融広報アドバイザーの派遣」、「金融・金銭教育研究校への支援」、「講演会やセミナーなどのイベント開催」、「ホームページや刊行物による情報提供」などを行っています。当事務所もこうした活動を通して県民の皆様の金融リテラシー(金融や経済に関する知識・判断力)向上のためのお役に立てればと考えています。

2023.2.28

ふたつ星4047

JR九州が運行している列車「ふたつ星4047」に乗車しました。この列車は武雄温泉駅と長崎駅の間で運行されている観光列車です。私は江北駅で乗車し、長崎駅まで利用しました。武雄温泉駅と長崎駅の間は、西九州新幹線を利用すると約30分ですが、この列車は約3時間をかけて長崎本線を移動します。列車内では有明海などの景色を楽しみながらお酒や食事を楽しむことができました。また、肥前浜駅などの停車駅では短時間ではありますが地元の方々と交流することもできました。列車は単なる移動手段としてだけではなく、列車内で過ごす時間を楽しむこともできます。佐賀県内でも多くの在来線が運行していますので、これからも列車を利用して、様々な楽しみ方ができればと思っています。

2023.2.20

事務所開設77周年

2月18日、当事務所は開設77周年を迎えました。当事務所は、1946年、当時の佐賀中央銀行佐賀支店(元佐賀銀行呉服町支店)内に開設され、その後幾度かの移転を経て、現在は佐賀銀行本店内で営業しています。現在の事務所は、佐賀銀行本店の新築とともに1975年10月から今の建物で営業していますが、翌年1976年2月には近隣地で大きな出来事がありました。JR佐賀駅の移転です。高架化工事の完成により駅が約200 m北側に移転しました。従って、当事務所が今の建物で営業を開始してから数か月間は、当事務所は佐賀駅の近くで営業していたことになります。当時はまだ中央大通りにアーケードが存在していた時期でもあり、当事務所の前も多くの人で賑わっていたのではないでしょうか。

2023.2.10

祐徳稲荷神社

「祐徳稲荷神社(鹿島市)」を訪れました。この神社は日本三大稲荷の一つに数えられ、佐賀県内の代表的な観光地の一つです。境内は、楼門や、117段の階段を上った舞台造りの上に建てられた本殿などで構成され、九州の日光東照宮とも言われているそうです。私は本殿からさらに足を延ばし、山頂にある奥の院まで行きましたが、ここから眺める鹿島市内から有明海へと続く景色は素晴らしかったです。当日は、JRとバスを利用して、祐徳稲荷神社のほか、肥前浜宿(酒蔵通り)などを見て回りました。JR肥前浜駅では列車の待ち時間を利用して、日本酒を堪能することもできました。佐賀県は、魅力ある観光地同士が近くに所在していることも多いため、公共交通機関を利用して、お酒を楽しみつつ短時間で観光を楽しむことができます。こうした点も佐賀観光の魅力の一つだと思います。

2023.1.31

佐賀県の金融経済概況(2023年冬)を公表しました

本日、佐賀県の金融経済概況(2023年冬)を公表しました。足もとの景気は「持ち直している」と判断し、前回の秋時点から判断を引き上げています。個人消費が持ち直しているほか、高水準の公共投資や設備投資の増加が続く中で、雇用・所得情勢が緩やかに改善しています。個人消費については、経済活動の再開に伴う人流改善に、西九州新幹線の開業効果や、全国旅行支援の効果も加わり、旅行・観光が持ち直しを続けているほか、コンビニエンスストアなどでの財消費も増加しています。もっとも、最近の物価上昇については、家計の実質所得や企業収益に対する下押し要因として作用しているほか、海外経済についても、回復ペースが鈍化しています。こうした点が当地の経済金融情勢に与える影響については、引き続き留意していく必要があると考えています。

2023.1.20

銀行券発行残高125.1兆円

2022年(令和4年)末時点で流通している銀行券(お札)の残高は125.1兆円でした。日本では、近年、決済のキャッシュレス化が進展していますが、一方で、銀行券の残高も増え続けています。日本は諸外国と比べても銀行券への需要が強い国と言われており、例えば、銀行券の残高の対名目GDP比率は米国が10%弱のところ、日本は20%強の水準に達しています。日本で銀行券需要が強い背景としては、治安がよく盗難が少ないこと、偽造の発生が少なく安心してお札を使えること、金融機関の店舗やATMなど現金を授受するためのインフラが整っていることが挙げられます。佐賀県では2022年中に日本銀行から4,044億円の銀行券が支払われました。当事務所では引き続き銀行券の安定的な供給に努めてまいります。

2023.1.10

2023年も宜しくお願い申し上げます

新年明けましておめでとうございます。新たな年を迎えることとなりました。2023年の干支は卯(うさぎ)です。うさぎは「跳ねる」ため、卯年は経済や企業にとって縁起の良い年とも言われているようです。本年が佐賀県経済にとって飛躍の年となることを期待しています。当事務所では本年も県民の皆さま方との信頼関係を大切にし、お札の安定的な供給、金融経済や日本銀行の活動に関する情報発信などを通じて、皆さま方のお役に立てればと考えております。私どもの活動に対して引き続きご理解・ご支援をいただけると幸いです。事務所職員ともども本年も宜しくお願い申し上げます。

2022.12.29

2022年もありがとうございました

2022年中は大変お世話になりありがとうございました。今年一年間、佐賀県経済は、新型コロナウイルス感染症や原材料価格等の上昇などの影響を受けつつも、感染症抑制と経済活動の両立が進むもとで、持ち直しの動きを続けてきました。佐賀インターナショナルバルーンフェスタなど多くのイベントが久方振りに再開されたほか、9月には西九州新幹線が開業しました。こうした中で、当事務所でも様々な活動を進めさせていただきましたが、お陰様で無事、一年間の業務を終えることができました。これも県民の皆様方のご理解、ご支援の賜物だと考えております。事務所職員一同、改めて御礼申し上げます。よいお年をお迎えください。

2022.12.20

短観(2022年12月)が公表されました

12月14日に2022年12月短観の結果が公表されました。短観は日本銀行が四半期毎に約1万社の企業を対象に実施している統計調査です。注目度が高い大企業の業況判断D.I.は、製造業が+7%、前回調査(9月)比▲1%ポイントの悪化となった一方、非製造業が+19%、同+5%ポイントの改善となりました。製造業では、原材料・コスト高の影響やIT関連需要の減少を背景に業況が悪化しています。一方、非製造業では、全国旅行支援などによる個人消費の増加や販売価格の引上げを背景に業況が改善しています。先行きについては、世界経済の減速や物価高などを懸念する声が聞かれています。こうした点が経済活動に与える影響については、今後、よくみていく必要があると考えています。

2022.12.12

佐賀城本丸歴史資料館

「佐賀城本丸歴史資料館(佐賀市)」を訪れました。この資料館は、本丸御殿の一部を復元した歴史博物館です。佐賀藩の公式行事などが行われた320畳の外御書院や、藩主の居室として使用された御座間など、当時の実際の建物内の雰囲気を体感することができました。また、復元した建物以外の部分についても、原寸大の建物の輪郭や部屋割りをみることができるようになっており、当時の巨大な建物群をイメージすることもできました。この資料館の特徴の一つは、単に観るためだけの施設ではなく、多くの人々が集い、交流の中心となることをめざしていることです。予め使用許可を得れば、イベント等で利用することができるそうで、私が訪れた際にも一般の方が結婚写真の前撮りをされていました。

2022.11.30

佐賀大学美術館

「佐賀大学美術館(佐賀市)」を訪れました。佐賀大学美術館は2013年に設置された全国的にも珍しい国立大学の美術館です。常設展では同大学の美術教員や佐賀にゆかりのある作家の芸術作品が順次公開されています。10月まで常設展第1期が開催され、彫刻作品が展示されていましたが、作品とともに、「石膏」とは何か、「ブロンズ」とは何か、同じブロンズ像でも色が違うのはなぜか、といった基礎知識が併せて解説されているため、大変興味を持って見ることができました。佐賀大学は長年にわたり九州地方における美術・工芸分野の教育を行う人材を育成する役割を担い、その伝統が現在の芸術地域デザイン学部に受け継がれているとのことです。

2022.11.21

SAGAサンライズパーク

「SAGAサンライズパーク(佐賀市)」を訪れました。ここは、佐賀県の体育館や各種競技施設などが設置されているエリアで、現在、「SAGA2024国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会」の開催に向けて整備が進められています。SAGAアリーナなど現在工事中の施設を含めて見学しましたが、様々な競技施設に加え、一般向けのランニングコースやレストランなどの商業施設も整備されているなど、多様な施設内容とそのスケールの大きさに驚かされました。スポーツばかりでなく、様々な楽しみ方を提供し、人々が集まる佐賀の代表的な拠点として、大いに期待できるのではないかと感じました。

2022.11.10

2022佐賀インターナショナルバルーンフェスタ

11月2日~6日に、「2022佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」が佐賀市の嘉瀬川河川敷で開催されました。有観客での開催は3年振りだそうです。私自身も、数日間にわたり会場を訪れました。朝の競技飛行では、バルーンが浮上していく際の壮観な光景に感動しました!当日は競技の概要を解説していただく機会があったため、単に眺めるのとは違った観点で、より一層関心を持って見ることができました。また、昼のイベント会場や夜間係留では、天気にも恵まれ、多くの人で賑わっていました。こうした特色のあるフェスタの開催も佐賀観光の大きな魅力の一つだと思います。来年は、海外からの選手受入れも再開され、今年以上に盛り上がりをみせるフェスタとなることを楽しみにしています。

2022.10.31

佐賀県の金融経済概況(2022年秋)を公表しました

本日、佐賀県の金融経済概況(2022年秋)を公表しました。足もとの景気は「緩やかに持ち直している」と判断しています。個人消費が夏場の感染拡大や台風による一時的な下押しがみられたものの、旅行・観光といったサービス消費を中心に持ち直しています。また、高水準の公共投資や設備投資の増加が続く中で、雇用・所得情勢が緩やかに改善しています。もっとも、最近の物価上昇については、家計の実質所得や企業収益に対する下押し要因として作用しているほか、海外経済についても、総じてみれば緩やかに回復していますが、先進国を中心に減速の動きがみられています。こうした点が当地の経済金融情勢に与える影響については、引き続き留意していく必要があると考えています。

2022.10.20

ゆめさが大学

「ゆめさが大学」で講義を行う機会がありました。「ゆめさが大学」は、シニアに学習と交流の機会を提供する場として、1991年に開校した後、現在では、佐賀市、唐津市、鹿島市、鳥栖市の4か所に拠点を有し、全体で約300人が学んでいるそうです。この4か所でお話をさせていただきましたが、いずれの場所でも金融や経済といった馴染みのない講義内容で、かつ2時間という長時間にもかかわらず、熱心に聞き入られている姿に感心いたしました。私自身も、50歳台ですが、世の中の出来事に関心を持ち、学ぶ姿勢をいつまでも持ち続けたいと思いました。

2022.10.11

短観(2022年9月)が公表されました

10月3日に2022年9月短観の結果が公表されました。短観は日本銀行が四半期毎に約1万社の企業を対象に実施している統計調査です。注目度が高い大企業の業況判断D.I.は、製造業が+8%、前回調査(6月)比▲1%ポイントの悪化となった一方、非製造業が+14%、同+1%ポイントの改善となりました。製造業では、自動車、はん用機械などで供給制約の緩和から業況が改善したものの、その他多くの業種で原材料・コスト高の影響から業況が悪化しています。一方、非製造業では、感染抑制と経済活動の両立が進むもとで、個人消費の堅調が続いていることから宿泊・飲食サービスなどで業況が改善しています。引き続き、原材料価格等の上昇や、それに伴う価格転嫁の動きが企業や家計に与える影響については、よくみていく必要があると考えています。

2022.9.30

西九州新幹線

9月23日に西九州新幹線(武雄温泉─長崎)が開業しました。博多・長崎間は、これまで約2時間かかっていましたが、新幹線の利用により約30分短縮されます。もちろん佐賀・長崎間も短縮され、片道約1時間で行き来することができるようになりました。私自身も新幹線を利用して佐賀・長崎間を往復する機会がありましたが、武雄温泉駅での在来線特急との乗り継ぎは、同じホームでの対面での乗り換えのため、負担を感じず、新幹線では快適な時間を過ごすことができました。時間短縮は約30分ですが、この30分の中には大きな価値と将来性が存在していると思います。新幹線の開通が佐賀県経済の発展に様々な面で寄与していくことを期待しています。

2022.9.20

金融リテラシー調査2022年(2)

9月12日付のちょっと一言で、「金融リテラシー調査2022年」の結果について、お話しさせて頂きましたが、今回はその続きです。調査結果をみると、株式、投資信託、外貨預金等の購入経験については、「購入したことがある」との回答が、2~3割程度となっていますが、購入者のうち、当該金融商品の商品性について理解せずに購入している人が、2~3割程度もいらっしゃいます。金融トラブルを回避し、健全な資産形成を進めていくためには、金融商品の基本的な特徴やリスク等を確りと学んでいくことが大切だと思います。因みに、佐賀県では、「購入したことがある」との回答が、株式で26.6%(全国平均33.8%)、投資信託で22.3%(同31.2%)、外貨預金等で12.2%(同18.3%)と全国平均を大幅に下回っています。

2022.9.12

金融リテラシー調査2022年

7月に「金融リテラシー調査2022年」の結果が公表されました。この調査は、金融広報中央委員会(事務局:日本銀行)が、個人の金融リテラシー(お金の知識・判断力)の現状を把握することを目的として実施しているものです。今回の調査結果をみると、「金融教育を受けた」と認識している人の方が正誤問題の正答率が高い一方で、「金融教育を受けた」と認識している若年社会人・一般社会人では、金融トラブル経験者の割合が高い傾向にあります。金融リテラシーの向上を図っていくためには、若年層のうちから継続的に金融教育を受けていくことが大切ですが、一方で、自己の知識に対する過信はトラブルに繋がりかねない点に注意しておく必要があるかと思われます。

2022.8.31

SAGAものスゴフェスタ8

8月20日・21日に、「SAGAものスゴフェスタ8」がSAGAサンライズパーク総合体育館で開催されました。このフェスタは、佐賀県が主催する県内最大級のものづくりの祭典で、県の外郭団体、県内の学校・企業等が出展し、小中高生を対象とした様々なワークショップが行われたほか、マイコンカーラリーやロボット競技会が開催されました。私も会場を訪れ、見て回りましたが、多くの家族で賑わっていました。どのワークショップも興味を引く工夫が施され、参加している子どもばかりでなく、それを見ている大人まで十分楽しむことができる内容でした。私自身もついつい引き込まれ、あっという間に1時間が過ぎてしまいました。このフェスタに参加した小中高生が、ものづくりに関心を持ち、将来、佐賀の産業を支える人材に育っていくことを期待しています。

2022.8.22

JR佐賀駅

今から131年前の1891年8月20日、鳥栖駅・佐賀駅間の鉄道路線の開通に伴い、佐賀駅が開業しました。その後、幾度かの組織の変遷を経た後、現在のJR九州の佐賀駅となっています。佐賀駅は一日当たりの平均乗車人員数(2020年度)が8,546人(全駅中11位)と、JR九州の中でも有数の駅です。現在、駅高架下西側では建物の改装工事が進められており、改装後には飲食・食物販ゾーンが設けられ、20店舗程度の出店が想定されているそうです。私自身も県内での企業訪問や講演活動、福岡支店での打合せなどでJRを頻繁に利用しているほか、ほぼ毎日、駅構内を歩いています。今後、佐賀の玄関口として、より一層魅力ある駅となっていくことを期待しています。

2022.8.10

佐賀城下栄の国まつり

8月6日・7日に、「佐賀城下栄の国まつり」が佐賀市内で開催されました。当日の午後は、佐賀駅前から県庁にかけての中央大通りが歩行者天国となり、様々なイベントが開催されました。私自身も、スタンプラリーに参加し、「YOSAKOIさが」、「NHK佐賀 夏まつり!2022」などのイベントを見て回りましたが、家族や浴衣を着た友人同士など、多くの人で賑わっていました。このまつりは、感染症の影響もあって3年振りの開催となるそうです。こうしたイベントは参加者ばかりでなく、主催者、関係者の気持ちも元気にします。景気も、気持ちの持ち方次第で大きく変わります。来年度以降も毎年、開催されていくことを楽しみにしています。

2022.8.1

佐賀県の金融経済概況(2022年夏)を公表しました

本日、佐賀県の金融経済概況(2022年夏)を公表しました。足もとの景気は「緩やかに持ち直している」と判断し、前回の春時点から判断を引き上げています。判断の引き上げは2020年秋以来、1年9か月振りです。個人消費が旅行・観光といったサービス消費を中心に持ち直しているほか、高水準の公共投資や設備投資の増加が続く中で、雇用・所得情勢が緩やかに改善しています。もっとも、感染症の動向についてなお不確実性が大きいほか、最近の物価上昇は、家計の実質所得や企業収益への下押し要因として作用しています。こうした点が当地の経済金融情勢に与える影響については、引き続き留意していく必要があると考えています。

2022.7.20

伊万里・鍋島ギャラリー

「伊万里・鍋島ギャラリー(伊万里市)」を訪れました。伊万里・鍋島ギャラリーは伊万里駅に併設されている美術館で、伊万里市所蔵の古伊万里や鍋島焼が展示されています。私自身、古伊万里や鍋島焼については、観光案内のリーフレットなどを通じて何となく知っている程度でしたが、ここでは一流の作品を実際に身近で見ることによって、両者の違いなどを学ぶことができます。このギャラリーの利点は駅に併設されているため、列車の待ち時間を利用して、気軽に立ち寄ることができることです。このギャラリーでは、伊万里市所蔵の作品を順次、入れ替えながら展示を行っているとのことですので、これからも度々訪れ、様々な作品を見てみたいと思います。

2022.7.11

短観(2022年6月)が公表されました

7月1日に2022年6月短観の結果が公表されました。短観は日本銀行が四半期毎に約1万社の企業を対象に実施している統計調査です。注目度が高い大企業の業況判断D.I.は、製造業が+9%、前回調査(3月)比▲5%ポイントの悪化となった一方、非製造業が+13%、同+4%ポイントの改善となりました。製造業では原材料高や部品の調達難の影響から多くの業種で業況が悪化しています。一方、非製造業では感染症の影響が和らいでいることから個人消費関連業種を中心に業況が改善しています。もっとも、先行きについては、多くの業種から原材料価格等の上昇を懸念する声がきかれています。原材料価格等の上昇やそれに伴う価格転嫁の動きが、企業や家計に与える影響については今後、よくみていく必要があると考えています。

2022.6.30

第1次大隈重信内閣

124年前の今日、1898年6月30日、第1次大隈重信内閣が発足しました。板垣退助が内務大臣に就任したため「隈板内閣」とも呼ばれています。また、この内閣は、憲政党を中心に結成されたため、日本で最初の政党内閣と言われています。大隈重信はこの内閣で、薩長以外で初めての首相に就任しました。先日訪れた「大隈重信記念館(佐賀市)」で配付されていた資料の中に、大隈重信の政治信条を示した「大隈重信の政治家五訓」が掲載されていました。1.物事は楽観的に見よ、2.怒るな、3.愚痴を言うな、4.むさぼるな、5.世のために働け、というものです。今から100年以上前に作られたものでしょうが、現在でも組織人としてのあり方を考えるうえで大変参考になる言葉だと思います。

2022.6.20

佐賀市歴史民俗館

「佐賀市歴史民俗館(佐賀市)」を訪れました。佐賀市歴史民俗館は佐賀市に今も残る歴史的価値のある建物を整備・公開しているもので、7つの建物群で構成されています。建物は主として明治・大正期に建てられたもので、実際に建物の中に入って見学することができます。また、建物は長崎街道沿いに点在しているため、建物を巡ることによって当時の街並みの雰囲気を感じることもできます。私自身、これまで佐賀の歴史というと、佐賀城、鍋島家といった江戸時代に目を向けがちでしたが、ここでは明治・大正期における佐賀の繁栄を垣間見ることができます。

2022.6.10

NHK新佐賀放送会館とARKS(アルクス)

5月から「NHK新佐賀放送会館」の運用が開始されました。同会館の1階には公開スタジオや、イベントスペースなどが設けられています。また、同会館の運用開始と同時期に、隣接地では「ARKS(アルクス)」がオープンしました。ここは「くすかぜ広場」を再整備したもので、芝生広場や、カフェなどの交流施設が設けられています。私自身、同会館内で開催されたトークイベントに参加する機会がありましたが、多くの来館者で賑わっていたほか、来館者の多くがARKSとの往来を楽しんでいました。両施設の相乗効果も見込まれるため、今後、佐賀市の新たな交流拠点として大いに期待できるのではないでしょうか。

2022.5.31

大隈重信と統計院

今から141年前の1881年5月30日、明治政府により「統計院」が設立され、初代院長に大隈重信が就任しました。大隈重信は、通貨単位「円」を決めた人として知られていますが、明治政府内で「統計院」の設置を建議し、自ら初代院長に就任するなど、統計の重要性を訴えた人物でもあります。日本銀行では様々な統計データに基づき景気判断を行っているほか、自らも多くの統計データを作成するなど、統計との関わり合いが深い仕事を行っています。大隈重信はこうした統計業務の礎を築いた一人でもあります。

2022.5.20

佐野常民と日本赤十字社

135年前の今日、1887年5月20日、博愛社が日本赤十字社に改称され、初代社長に佐野常民が就任しました。佐野常民は佐賀の七賢人の一人で、1877年に西南戦争の負傷者救護のため、他の仲間とともに博愛社を設立しました。ところで、日本赤十字社と日本銀行の組織上の共通点をご存じでしょうか。正解は、共に特別の法律に基づき設立されている認可法人であることです。日本赤十字社、日本銀行は各々、日本赤十字社法、日本銀行法という法律に基づき設立されています。日本銀行の創業は1882年ですので最初の創立時期も近接しています。因みに、日本銀行の初代総裁は吉原重俊です。薩摩藩出身の官僚ですが、佐野常民ほど有名ではありません。

2022.5.9

佐賀県の金融経済概況(2022年春)を公表しました

本日、佐賀県の金融経済概況(2022年春)を公表しました。足もとの景気は「持ち直し基調にある」と判断しています。個人消費は、旅行・観光といったサービス消費などにおいて、感染症の影響による下押し圧力が幾分和らぐもとで、緩やかに持ち直しています。また、公共投資が高水準で推移しているほか、ここへきて設備投資が増加しています。もっとも、先行きについては、感染症の動向についてなお不確実性が大きいほか、企業からは原材料価格等の急激な上昇に対する懸念の声が聞かれています。こうした点が当地の経済金融情勢に与える影響等については、引き続き留意していく必要があると考えています。

2022.4.20

酒蔵はしごバス

佐賀県が企画した「酒蔵はしごバス」に参加しました。この企画は、新酒の販売促進や佐賀酒ファンの獲得につなげることを目的として、数か所の酒蔵を回るバスを1日限定で運行するものです。訪れた酒蔵では、お酒の製造工程を実際に目で見て学ぶことができたほか、歴史ある建物や酒蔵周辺の豊かな自然にも接することができ、大変充実した1日を過ごすことができました。バスで酒蔵を巡るのは、短時間で数か所の酒蔵を巡ることができるほか、お酒を試飲することもできるため、大変魅力ある企画だと感じました。県内では、感染症の影響からこれまで多くの観光関連の企画が中止となりましたが、今後、こうした企画が再開されていくことを期待しています。

2022.4.11

短観(2022年3月)が公表されました

4月1日に2022年3月短観の結果が公表されました。短観は日本銀行が四半期毎に約1万社の企業を対象に実施している統計調査です。注目度が高い大企業の業況判断D.I.は、製造業が+14%、前回調査(12月)比▲3%ポイント、非製造業が+9%、同▲1%ポイントと、いずれも7四半期振りの悪化となりました。製造業では原材料価格の上昇や部品・部材の調達難の影響から、非製造業では感染症の再拡大や原材料価格の上昇の影響から、多くの業種で業況が悪化しています。また、先行きについても、原材料価格の上昇の影響から多くの業種で業況の悪化を予想しています。原材料価格の上昇やそれに伴う価格転嫁の動きが企業や家計に与える影響については今後、よくみていく必要があると考えています。

2022.3.31

佐賀県公文書館

「佐賀県公文書館(佐賀市)」を訪れました。ここは歴史資料として価値を有すると認められる佐賀県の公文書を収集、整理、保存し、一般の方に利用していただくための施設です。4月3日まで、所蔵資料展「さがの銀行ことはじめ」が開催されています。明治初期~中期に行われた「国立銀行」に関する政策と、それに関わる佐賀の第百六国立銀行についての資料などが展示されています。皆様方は「国立銀行」と聞いて何を想像されますか。「国立銀行」とは、1872年(明治 5年)制定の国立銀行条例に基づく銀行という意味で、国営銀行ではなく民間銀行です。銀行名は、内認可順に付され、佐賀県では、1879年(明治12年)に、第百六国立銀行(佐賀市)と第九十七国立銀行(小城市)が設立されました。

2022.3.22

徴古館

「徴古館(佐賀市)」を訪れました。徴古館は鍋島家に伝来した品々を展示する博物館です。3月21日まで「鍋島家の雛祭り」展が開催され、鍋島家11代・12代・13代夫人のおひなさまが展示されていました。雛道具とは言え、食器や化粧道具に加え、コーヒーカップ、ワイングラス、将棋盤なども展示され、雛道具の規模の大きさと、精巧さに驚かされました。ここは、常設展示はなく、企画展の開催期間のみ開館しているそうです。なお、本来であれば周辺地域において「佐賀城下ひなまつり」が開催される予定でしたが、残念ながら今年は中止となってしまいました。来年の開催を楽しみにしています。

2022.3.10

佐賀県立博物館

「佐賀県立博物館(佐賀市)」を訪れました。この博物館では佐賀県の歴史と文化に関する資料などが常設展示されています。この博物館の利点の一つは常設展示を無料で観覧できることです。こうした施設は有料であることも多いため、一度限りの利用となりがちですが、併設するカフェなどで休息することもできるため、私自身もこれまで数回観覧しました。同じ展示内容でも、回数を重ねるにつれて展示内容に対する理解が深まるほか、新たな発見があったりもします。さらに今回は、コレクション展「忠吉から忠広へ―集結!初代忠吉―」も無料で観覧することもできました。このコレクション展は既に終了していますが、この博物館では年間を通じて様々な展覧会が予定されています。皆様方も訪れてみてください。

2022.2.28

事務所開設76周年

2月18日、当事務所は開設76周年を迎えました。当事務所は、1946年、当時の佐賀中央銀行佐賀支店(元佐賀銀行呉服町支店)内に開設され、その後幾度かの移転を経て、現在は佐賀銀行本店内で営業しています。因みに、当事務所が開設された1946年2月は、政府により日本銀行とも大きく関係する非常措置が実施されました。いわゆる「新円切り替え」と呼ばれているものです。これは、終戦直後のインフレ進行を阻止するために、5円以上の日本銀行券を強制的に金融機関に預入させ、既存の預金とともに封鎖のうえ、一定限度内に限って新銀行券による払出しを認めるというものです。国民生活に非常に大きな影響を及ぼした措置であり、当時の方々は、事務所の開設に関心を寄せる余裕はなかったのではないかと思います。

2022.2.21

子どもの貧困対策

先日、佐賀経済同友会から「子どもの貧困対策に関する提言」が公表されました。この提言は、子どもの貧困が子どもの将来や社会に与える影響について考察したうえで、企業や行政が取り組むべき対策案を取りまとめたものです。子どもの貧困については、過去、家庭や学校を含めた行政が主として対応すべき課題として認識されがちでした。しかしながら、最近では、持続可能な開発目標(SDGs)において「貧困をなくそう」が目標の一つとして掲げられるなど、企業が取り組むべき課題としても広く認識されてきています。企業や行政がこうした課題に積極的に取り組んでいくことは、地域経済の発展にもつながるものであり、大変意義のある提言だと感じました。

2022.2.10

Web講義の将来性

先日、佐賀大学において「新社会人向け金融リテラシー講座」が5日間にわたってWeb形式で開催され、私自身は1日目の講義の講師として参加しました。2日目以降の講義も視聴しましたが、何れの講義も、画面上でのわかりやすさを意識した資料が準備され、チャットの活用により双方向でのやりとりを行いつつ進められるなど、大変有意義な講義だと感じました。受講者へのアンケート結果も概ね好評価でした。私自身、Web形式での開催は、対面形式で行えない場合の代替手段との認識でしたが、実際に講義を行い、視聴してみると、Web形式での利点も多く感じられました。講義の内容、対象者にもよるのでしょうが、改めてWeb講義の将来性を実感しました。

2022.1.31

佐賀県の金融経済概況(2022年冬)を公表しました

本日、佐賀県の金融経済概況(2022年冬)を公表しました。足許の景気は「感染症拡大の影響が一部にみられるものの、持ち直し基調にある」と判断しています。旅行・観光といったサービス消費などで、感染症拡大の影響が一部にみられ始めているものの、財消費を含めた個人消費全体では持ち直しの動きが続いています。また、公共投資、設備投資が高水準で推移している中で、住宅投資が持ち直しています。もっとも、先行きについては、新型コロナウイルス感染症の帰趨について不確実性が大きいほか、供給面の制約や原材料価格等の上昇が当地経済を下押ししていく可能性もあります。こうした点が当地の経済金融情勢に与える影響等については、引き続き留意していく必要があると考えています。

2022.1.20

東よか干潟

「東よか干潟(佐賀市)」を訪れました。日本には、国際的に重要な湿地としてラムサール条約湿地に登録されている場所が53か所ありますが、ここはその中の一つです。東よか干潟ビジターセンターの展望台からは、広大な有明海の干潟や佐賀平野の風景を一望することができます。初めて目にする見渡す限りの干潟と、そこで生息する数多くの野鳥に感動しました。日本には美しい海の景色をみることができる場所は数多くありますが、広大な干潟をみることができる場所は限られているのではないかと思います。また、ここはシチメンソウの群生地としても有名だそうです。今年は海岸線に広がる紅葉したシチメンソウを是非みてみたいと思います。

2022.1.11

2022年も宜しくお願い申し上げます

新年明けましておめでとうございます。新たな年を迎えることとなりました。2022年も当事務所が長年に亘り築いてきた県民の皆さま方との信頼関係を大切にし、金融経済に関する情報発信や、金融リテラシー向上に向けた活動等を通じて、皆さま方のお役に立てればと考えております。事務所職員ともども本年も宜しくお願い申し上げます。