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公表資料

第1回 わが国初の銀行の誕生

日本に銀行が初めて設立されたのは、明治6(1873)年です。前年に公布された国立銀行条例に基づき、次の4行が設立されました。
第一国立銀行(東京都):後の第一銀行、現在のみずほ銀行
第二国立銀行(神奈川県):現在の横浜銀行
第四国立銀行(新潟県):現在の第四北越銀行
第五国立銀行(大阪府):後に三井銀行と合併、現在の三井住友銀行

米国の制度(ナショナルバンク制)を基にしたため、国立銀行という名前を使っていますが、全て民間の銀行です。なお、第三国立銀行(後の富士銀行、現在のみずほ銀行)がありませんが、設立認可は3番目であったものの、実際の設立・開業が明治9(1876)年にずれ込んだためです。

なぜ4行しか設立されなかったのでしょうか。当時の国立銀行は、今の銀行とは異なり、自らのお札(国立銀行券)を発行することができました。しかし、そのお札は金兌換義務(お札を同額の金貨に交換する義務)を負っていましたので、お札を発行するとすぐに金貨への交換を要求されるおそれがありました。そのため、銀行の開設には、この要求に対応できる資金力が必要であり、これが開設の足かせになっていました。

この時点で、佐賀県に銀行はありません。初めての銀行ができるのは、明治9年の国立銀行条例改正の後となります。