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公表資料

第3回 佐賀県初の私立銀行

明治9(1876)年の国立銀行条例の改正により、国立銀行でなくても名前に銀行の文字を使用できるようになりました。これを受け、同年7月、日本初の私立銀行として三井銀行(東京都、現在の三井住友銀行)が開業しました。国立銀行との最大の違いは、自らのお札を発行できない点です。

佐賀県では、明治15(1882)年3月に、最初の私立銀行として伊万里銀行(伊万里市)が設立されました。当時の伊万里は陶磁器の輸出港として栄えていました。同行は、伊万里にあった三井銀行出張店の業務を引き継ぐ形で始まり、その後の伊万里地域の経済発展を金融面から支えました。この銀行が現在の佐賀銀行のはじまりとなります。

その後も、同年5月設立の栄銀行(佐賀市)、三省銀行(明治16<1883>年設立、佐賀市)、志保多銀行(明治17<1884>年設立、嬉野市)、(旧)古賀銀行(明治18<1885>年設立、佐賀市)、唐津銀行(同、唐津市)など、商業集積地を中心に県内各地で私立銀行が設立され始めます。

このほか、政府の認可を受けていませんが、私立銀行と似通った業務を行う金融業者も数多く設立されました。これを銀行類似会社といい、その多くは後に私立銀行となっていきます。こうした銀行や銀行類似会社により、明治期前半にかけて、県内の金融は徐々に活動し始めました。